インドネシア、ジャカルタの5つの島で海水淡水化を検討

2015年10月22日に現地で報じられたところによると、水不足の問題が深刻さを増しているインドネシアで、ジャカルタ市がケプラウアン・セリブ県*1の5つの島で海水淡水化プロジェクトを展開する計画が進行しているという。

地下水のRO処理から海水淡水化へ転換、より多くの電力が必要に

ケプラウアン・セリブ県の知事、ブディ・ウトモ氏によれば、この海水淡水化プロジェクトはカリヤ島、ケラパ島、ハラパン島、ティドゥン島、ウントゥンジャワ島の5島で実施され、2016年に完成することが見込まれている。「この海水淡水化プロジェクトを実施するため、より多くの電力が必要になります」とBudi知事は語った。数千人の島民を抱える同県では現在、地下水を逆浸透(RO)法により浄化して利用しており、RO技術に依存している状態である。Budiは、今後展開する海水淡水化プロジェクトは、既存の施設に取って代わるものになるという。

Budi氏は、「我々はかねてからこれらの島に海水淡水化プロジェクトを導入するよう提案してきました」と述べた上で、これら5つの島の該当エリアには既に電力ネットワークが整備されていることを指摘した。同氏は、現在の地下水の利用から海水淡水化への転換について、次のように説明する。「より多くのエネルギーが必要となります。現在の浄水場は、原水(地下水)を浄化し、飲料水にしているだけです。このために必要なエネルギーは、海水淡水化が必要とするエネルギーに比べれば小さなものです」

セラタン郡では水不足が危機的な状況

またこれと同日、同県のセラタン(南)郡における水危機の発生が報じられた。同郡の長Murta氏は、メディアの取材に対し、3つのRO浄水場が操業できない状態になっており、パリ島およびランカン島で危機的な水不足が発生していると明かした。Murta氏は「原水の枯渇もあり、今あるRO浄水場の生産量は減少する一方です」と述べ、島民達はこれ以上待つことはできず、関係機関には直ちに浄水場を改修してもらいたいとコメントした。

*1 ジャカルタ首都特別州の行政県のひとつ。ジャカルタの北方のジャワ海に位置し、105の島々から成る。

タグ「, 」の記事:

2019年12月20日
チリの銅開発公社Codelco、丸紅のコンソーシアムが落札していた淡水化プラント建設の入札をキャンセル
2019年10月15日
チリの銅公社Cochilco、2018年度の銅鉱山での地表水、海水、再利用水の使用状況を発表
2019年7月27日
ラテンアメリカ淡水化及び水の再使用協会ALADYR、ペルーでの淡水化推進を強調
2019年7月24日
太陽光蒸気発生システムでほぼ100%の脱塩を実現――モナシュ大学
2019年6月20日
チリの銅鉱山会社AMSA、5億米ドルの淡水化プラントを建設すると発表