アンデス開発公社CAFが、アルゼンチン、チリ、エクアドル、ボリビア、ウルグアイ、コロンビア、パラグアイ、ペルー、ベネズエラの9ヶ国の、上下水の普及状況や課題をまとめた報告書*1によると、南米では近年上下水普及率は大幅に改善し、殆どの主要都市では安定したサービスの供給が実現しているが、調査した国の全体では、1440万人が質の良い飲料水へのアクセスが、3240万人が衛生施設へのアクセスがない状態となっている。また飲料水サービスも、一日24時間・週7日継続して提供されていないところが、地方や都市周辺の低所得層居住地区で見られる点が、報告書では指摘されている。
今後の課題として同報告書では、普及率だけでなく、サービスの質の改善や、特に農村部でのサステナブルな料金設定、都市の大きさや特徴に即したプロジェクトファイナンスの設定が指摘されている。以下に主な数値を示す。
国別の飲料水普及率
図 中南米地域における国別の飲料水普及率(単位:%)
(出典:中南米における飲料水および衛生施設の普及状況)
コロンビア、エクアドル、ベネズエラ以外の国で、国連の2015年の目標値を達成している。コロンビア、エクアドルは、近年の実績と予定では、2015年には国連の目標値を達成する見込みとなっている。
国別の衛生施設普及率
ボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ベネズエラは、2015年の国連の目標値を達成していないが、コロンビアは経済が堅調で上下水道普及事業が進んでおり、2015年中には目標値が達成できると見込まれている。
(参考)各国の都市人口比率
2015年中盤の人口(単位:1000人) | ||||
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都市部人口 | 農村部人口 | 人口合計 | 都市人口比率 | |
アルゼンチン | 38,677 | 3,477 | 42,155 | 91.75 % |
ボリビア | 7,553 | 3,471 | 11,025 | 68.51 % |
チリ | 16,047 | 1,877 | 17,924 | 89.53 % |
コロンビア | 37,858 | 11,671 | 49,529 | 76,44 % |
エクアドル | 10,343 | 5,883 | 16,226 | 63.74 % |
パラグアイ | 4,196 | 2,837 | 7,033 | 59.67 % |
ペルー | 24,495 | 6,666 | 31,161 | 78.61 % |
ウルグアイ | 3,269 | 161 | 3,430 | 95.31 % |
ベネズエラ | 27,848 | 3,445 | 31,293 | 88.99 % |