Suez Environnementは、2016年4月11日、中国における石油・ガス及び石油化学セクターの大手と次の3つの契約を締結したことを発表した。これらの契約の総取引高は1900万ユーロとされている。
- 上海化学工業区(SCIP)におけるエンジニアリング・設備調達に関する化学大手BASF社との契約
- 石油化学グループZhong Tian He Chuang Energyのための“廃液排出ゼロ(ZLD)”設備供給・サイト技術サービスに関する契約
- 大連を拠点とする石油化学グループ恒力(Hengli)とのエンジニアリング・設備調達契約
BASFとの契約
Suez社は現在、SCIPと重慶ケミカルパークに立地しているBASF社のプラントを対象に水供給・廃水処理サービスを提供している。今般の契約は、両社間で締結された初のエンジニアリング・設備調達契約である。Suez社は2002年以降、SCIPの産業廃水を管理するための水処理サービス及び先端技術を提供しており、2007年以降、同サイトにおけるあらゆる種類の有害廃棄物の安全管理を担当している。
Suez社にとって中国で初となるZLDの契約
Zhong Tian He Chuang Energy社のためにCAMC EngineeringグループのBeijing Woteer Water Technology社と締結された設備供給・サイト技術サービス契約は、Suez社が中国で初めて実施するZLDプロジェクトとなる。この契約には、内モンゴル自治区オルドス市における世界最大の“石炭からのオレフィン製造(Coal to Olefins)”プロジェクトの廃水処理プラントへの結晶化ユニット(処理能力:日量600 m3)の供給に伴う設計、設置、サイト技術サービス及び性能保証が含まれている。Suez社は同契約に先立ち、蒸発技術・結晶化技術に専門特化したスイスのエンジニアリング会社Evathermの株式を取得している(2014年7月)*1。水消費量の節減、有価物回収及び環境影響のモニタリングは成長産業であり、中国市場において新たなビジネス機会を確保する上で、廃水のリサイクルと副産物の回収を保証するZLDのような最先端技術が非常に重要になってくる。
石油化学グループ恒力との契約
Hengli Petrochemicalグループとのエンジニアリング・設備調達契約では、Suez社は、中国で私企業のトップ10に入る恒力グループが大連に新設した石油精製プラント(生産能力:日量40万バレル)に“石炭からの水素製造(Coal to hydrogen)”ユニット等を供給する。また、この契約には、廃水の三次処理工程を有するプラントの5つの処理ライン、逆浸透膜を用いた塩水処理技術、高速沈殿設備Densadegも含まれている。
*1 EWBJ51号に関連記事有り「Suez Environnement、蒸発技術および結晶化技術に特化したEvathermの株式を取得――産業顧客向け水処理ソリューションのさらなる充実化を図る」