中国工業情報化部、2017年度の水利用効率トップランナー企業を発表――海水の利用や廃水排出ゼロなどの技術が導入される

2017年10月10日、中国工業情報化部は、2017年度の重点水利用企業における水利用効率トップランナー企業、およびノミネート企業リストを公表した。今年初めに公布された関連実施細則では、関連規定を満たすとともに、水利用効率が業界トップレベルに達している模範的な企業をトップランナー企業として選出することにより、水利用効率の引き上げを企業に促すという方針が打ち出されていた。今回発表されたリストには、鋼鉄業、紡績・染色仕上げ業、製紙業、エチレン関連業、化学調味料業から選出された計12社のトップランナー企業、および11社のノミネート企業が列挙されている。

なお、上記の水利用効率トップランナー企業およびノミネート企業リストについては、以下のURLより閲覧およびダウンロード可能である(中国簡体字)。
http://miit.gov.cn/n1146295/n1652858/n1653100/n3767755/c5855695/content.html

 

首鋼京唐鋼鉄連合有限責任公司の事例

同リストで水利用効率トップランナー企業に選出された「首鋼京唐鋼鉄連合有限責任公司」は、廃水の排出ゼロを実現した企業である。同社の主要製品は、熱間圧延板と冷間圧延板で、地表の淡水、海水、淡水化した海水を主な水源としている。同社は、科学的発展観(調和の取れた持続可能な発展)に基づき水の利用や節水業務を指導しており、各製造工程の特長に応じて最適化された水の供給を実現することにより、回収量を増やすとともに、水の浪費を削減している。また、同社は、割当量に基づく水使用量の管理も実施している。

さらに、同社は、循環経済の理念やクリーン生産関連の要求に基づき、製造技術や技術水準の引き上げを図るとともに、節水や廃水の資源化利用も強化している。また、水使用量の削減や合理化、高度な汚水処理を実施することにより、廃水の「排出ゼロ」を実現している。同社が採用している主な節水技術には、海水資源の統合利用、コークス化廃水の高度処理による排出ゼロ、冷間圧延廃水の排出ゼロ、工場全体での集約的汚水処理による廃水の排出ゼロなどがある。高炉ガス乾式集塵、転炉ガス乾式集塵、コークス乾式消火など先進的な節水技術を採用し、非在来型資源の開発や利用にも積極的に取り組むとともに、廃水を他の製造工程や系統に転送供給する連結型給水技術も強化している。同社は、こうした一連の技術により、効果的に水利用効率の引き上げを図っている。

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