マレーシア、2020年までに上水道普及率99%を目指す

2018年5月7日に現地で報じられたところによると、マレーシアのエネルギー・環境技術・水省(KeTTHA)は、2020年までにマレーシア国内全土の上水道普及率を現在の96.4%から99%まで引き上げる事を目指すという。KeTTHA副次官Tan Yew Chong氏によると、同省はこの他、下水道普及率を現在の78.7%から85%に引き上げること、および無収水率を34.6%から31%まで引き下げる事も目標に掲げている。

上下水道の建設にあたっては非開削工法の採用を促進

5月7日に行われたTrenchless Asia 2018の開会式においてTan氏は、「第11次マレーシア計画(2016-2020年)に掲げられた5年間の目標達成に向けた上下水道開発プロジェクトには11億2000万RM(約308億円)を超える予算が割り当てられています。これは、経済拡大をサポートするためのインフラ強化に対する政府の意志が表れています。」と語った。

このTrenchless Asia 2018は、地中の給水管等の交換やメンテナンスを開削せずに行う(Trenchless;トレンチレス)技術を世界に浸透させる目的で開催される展示会である。Tan氏は、上下水道プロジェクトの目標を達成する一つの方法が、開削がほとんど必要ないトレンチレス工法を採用することであり、具体的な事例としてペラ州イポーにて現在進行中のプロジェクト「Regional Sewerage Conveyance System project(地方下水道システムプロジェクト)」を挙げた。2022年完成予定のこのプロジェクトは、総工費21億2000万RM(約576億円)を投じ、長距離・曲線推進が可能な工法を用い、プロジェクト内の80%をトレンチレス工法で実施することを目指すものである。この工法を用いれば、作業員が陥落する事故もなくなり、工事による交通渋滞等の影響も最小限に抑えられるため、市民生活への影響も低減することができる。

「私達は、Trenchless Asia 2018を通じて、国内の全ての産業に関わる人々に今回のイベントを活用し、トレンチレス工法の拡大に投資することを奨励しています。それは、トレンチレス工法が持続可能でグリーンであり、汚染を低減し、さらに工事期間を従来の工法に比べて最大で50%短縮できるためです。」あわせて同氏は、トレンチレス工法の先駆者となるべく、特別委員会を設置したと述べた。マレーシアの大半の州で下水道の維持管理業務を請け負っているインダ・ウォーター・コンソーシアム率いるこの委員会は、アメリカやドイツなどの技術先進国との間で能力強化や研修プログラムを行うための国の下位組織の設立について検討することを目的としている。

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