2018年10月8日ジャマイカ首相は、第27回カリブ諸国・水と汚水協会(CWWA)の年次コンファレンスで、同国の国家水委員会(NWC)の新しいビジネスモデルを模索していると発表した。ジャマイカの上下水サービスをになう国家水委員会の、コーポレートガバナンスとビジネスモデルを見直す必要が生じている為である。
首相は、現在の国家水委員会のビジネスモデルでは必要な資金の調達が困難で目的を達成できておらず、上下水サービスコストも賄えないレベルに達していると指摘したうえで、上下水部門を改革することを目的として、官民提携(PPP)も視野にいれた新しいビジネスモデルの模索をすることを、政府と国家水委員会が決議したと述べた。
首相によれば、まず国家水委員会を、国家機関から会社法にもとづく会社として組織を編成しなおす必要がある。また株式を発行してジャマイカの証券取引所に上場し、上下水サービスを民間企業にコンセッションで委託することを検討して、良質な水サービスへのアクセスを目指すことになる。
首相は、問題は一朝一夕には解決しないことは認識しているが、公共サービスとは何かを見直していくべきだとし、主な課題の一つとして、公共サービスに皆が平等にアクセスできるような、サービスの質を損なわない新しいビジネスモデルがあるはずであるという理解を国民から得ることを挙げている。
なお世界銀行によれば、ジャマイカでは水道管による飲料水の普及率は89%、都市部では98%であるが、自宅まで水道が通っているのは65%となっている。国家水委員会NWCは1980年に国家水委員会法により創設され、1億9000万ガロンの水を、200万人をカバーする4万世帯に供給している。現在、新しい汚水処理プラントの建設や既存のプラントの修復、汚水処理場のコンベヤシステムとポンプ場建設などのプログラムが進行中となっている。