チリのTrend社、アタカマ州の初期投資5億米ドルのモジュラー型淡水化プラントプロジェクトのSPC設立パートナーを募る

チリのTrends社が、アタカマ州の初期投資5億米ドルのモジュラー型淡水化プラントプロジェクトのSPC(特定目的会社)設立パートナーを募っていることが、2019年2月8日にチリ主要紙で報道された。パートナーは、所有権の20-25%を有することになる。プロジェクトは「太平洋、エネルギー・水プロジェクト(Enapac)と呼ばれるもので、チリ北部のアタカマ州で行われる。2600リットル/秒の能力の淡水化プラント建設の他に、100MWの太陽熱発電設備、送電線、貯水地、需要家への配管を備えるものとなり、淡水化プラント建設のみの初期投資は5億米ドルだが、最終的な投資総額は10億米ドル以上となる。

国際脱塩協会IDA及び欧州脱塩協会EDAのディレクターでもある、プロジェクトのコンサルタントを務める淡水化専門家のボルハ・ブランコ氏によれば、プロジェクトは既に環境許可を取得しているが、まだペンディングとなっている許可もいくつかあり、工事開始時期はユーザーとなる顧客との契約や契約期間によると述べている。

プロジェクトの顧客候補は銅鉱山開発企業で、スケールメリットを目指して、モジュラー型の淡水化プラントに貯水池や排水管の設置を組み合わせ、アタカマ州の100 km以内の複数の需要家への淡水の供給が可能となるが、需要家の場所により、環境影響申告手続きが必要となる。ブランコ氏によれば、このプロジェクトが成功すれば将来的に他の州でも同様のプロジェクトを推進することが可能となり、世界中のパートナー候補との協議を進めている。

チリでは複数の淡水化プロジェクトが進んでいたが、銅の国際価格下落や前政権が実施した税制改革により中止となっているものがある。これらのプロジェクトが再開するのは間違いないが、チリは環境影響評価のプロセスが世界の他の国に比べて非常に複雑で厳しく、承認されるまでに時間がかかる点を改善する必要があると、ブランコ氏は述べている。

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