2018年12月にチリ銅開発局Cochilcoが作成した調査報告書「2018-2029年銅鉱山開発における水使用量見通し[1]」によれば、チリにおける銅鉱山開発での海水の需要は、2029年には10.82m3/秒に達し、2019年の予想値に対して230%の増加となる。一方地表水の需要は14.53m3/秒で、2019年の予想値に対して6%の増加となっている。水の需要量合計は、2019年予想の18.5m3/秒は2029年には25.35m3/秒と、37%の増加となる。また、全体の水需要量に占める海水の割合は、2019年は25.6%であるが、2029年には42.7%に達する見込みとなっている。
図 2018年~2029年の水需要の予測
(出典:2018-2029年銅鉱山開発における水使用量見通し)
海水需要が増える理由として、銅の生産の増加と、チリの銅鉱山開発では今後、電解採取法(SX-EX法)から、水の消費量が多い硫化鉱の浮遊選鉱プロセスを使う銅精鉱への移行が進むため、淡水化プラント建設が進むためと分析されている。生産方法別の銅生産の推移は以下のグラフの通りとなっている。
図 2017年銅生産量および2018年~2029年の生産方法別生産量見込み
(出典:2018-2029年銅鉱山開発における水使用量見通し)
地域別では、アントファガスタ州、アタカマ州、コキンボ州に集中するが、2029年の海水使用の水全体の使用量に占める割合は、タラパカ州が32%、アントファガスタ州が64%、アタカマ州が32%、コキンボ州が51%となっている。
図 2018年~2029年 銅鉱山開発における地域別水使用見込み
(出典:2018-2029年銅鉱山開発における水使用量見通し)
[1] https://www.cochilco.cl/Listado%20Temtico/proyeccion%20agua%20mineria%20del%20cobre%202018-2029%20-%20vf.pdf