中国の国家発展改革委員会および水利部は、2019年4月15日、「国家節水行動計画」(以下「計画」)を公布し、即日より印刷され、実施されるという。「計画」の主な内容は、下記のとおり。
3段階の節水目標
2020年までの目標 | 節水に関する政策、法規、市場規制および標準体系などがほぼ完備され、技術力および管理メカニズムが十分に利用できる状態になっていること;国内総生産1万元(約16.6万円)当たり水の使用量および工業増加値一万元当たり水の使用量は2015年よりそれぞれ23%、20%下げること;繰り返し使用される工業用水量の割合は91%以上、灌漑用水の有効利用率は55%以上を達成すること;全国の給水ネットワークの水道インフラにおける漏れ・破損の割合は10%以内に抑えること。 |
2022年までの目標 | 初期段階の節水型の生産および生活方式ができるようになり、用水の効率および用水により得た利益率が上げること;国内総生産一万元当たり水の使用量および工業増加値一万元当たり水の使用量は2015年よりそれぞれ30%、28%下げること;灌漑用水の有効利用率は56%以上を達成すること;全国の用水総量は6700億m3以内に抑えること。 |
2035年までの目標 | 節水に関する政策や法規の体系などが完備されていること;全国の用水総量は7000億m3以内に抑えること;水資源の節約およびリサイクルに関する技術や産業構造は世界最先端の水準となること。 |
重点行動
「計画」では、下記6つの側面から重点行動の内容を提示した。
- 用水の総量の制御:
用水の総量に関する指標を設定し、指標を達成するための監督および管理を強化すること;2020年までに、農産物、工業製品およびサービス業などの用水定額体系を作成すること;用水の全プロセスにおける管理または節水行動に対する監督を強化すること。
- 農業用水の効率化:灌漑用水、農産物構造の改善などの側面から節水行動を推進すること。
- 工業用水の排出削減:
工業用水における節水のための改造を推進し、2020年までに、水資源の超過利用(中国語:超載)地区における年間用水量が1万m3以上の工業系企業の用水計画の管理を実現すること;
用水量の多い業界における用水の効率化を推進し、2022年までに、火力発電、鉄鋼、紡織、製紙、石油化学と化学工業、食品と発酵などの業界にて、節水型企業を作成すること;
水のリサイクルを推進し、2022年までに、節水モデル企業を100社、節水モデル工業団地を50か所達成すること。
- 都市における節水を推進し、給水ネットワークの水道インフラにおける漏れ・破損を大幅に減少させること。
- 重点地域における節水を推進し、沿海地域では海水の利用を優先とし、海水淡水化技術などの国産化を進めること。
- 節水に関する技術の開発を推進し、2022年までに、いくつかの先進技術を有する業界を牽引できる節水サービス企業を育成すること。
最後に、「計画」では節水行動を推進するための政策と制度の改善、市場規制の改革およびそれらを実現するための保障措置などを提示した。