米ウィスコンシン州、PFAS試験プログラムを開始

米ウィスコンシン州天然資源局(DNR:Wisconsin Department of Natural Resources)は2019年7月22日、飲料水や地下水の汚染が最近発覚したことを受けて、公営排水処理施設へ流出入する排水や処理水のPFAS汚染を検査する新たな任意試験プログラムを開始したことを明らかにした。

DNRは、州内の地方自治体が稼働する公営排水処理施設125か所に対して、同施設へ流入する排水及び排出される処理水をサンプリングし、PFAS成分を分析することを要請した。最終的にPFASが公営及び私営上水道システムの飲料水に含有される前の段階として、同汚染物質が大気や土壌、水域へ流入する可能性がある場所やその過程をより理解することを目的としている。PFASは人工的に製造された化学物質群であり、焦げ付き防止調理器具、ファーストフードの包み紙、汚れ防止スプレー、特定の種類の泡消火剤など、数多くの製品に過去何十年にも亘り使用されてきた。

DNR次期局長となるPreston Cole氏は、「水道水の利用を誰も懸念する必要はない。安全な飲料水を提供することは、公共衛生の観点から最優先事項であり、水は生きるために必要不可欠である。今回のプログラムは、市民や天然資源を有害な汚染被害から保護する最初の一歩であり、大きな機会となる」と述べた。排水/処理水に含まれるPFASを検査するサンプリング試験の実施を要請した書簡が7月22日に、州内の公営排水処理施設へ送付開始された。サンプリングの実施対象となる公営排水処理施設には主に、実態を把握しているか否かにかかわらずPFASを使用している企業から排水を受け入れている可能性が高い施設が選定された。

収集したサンプリングテストのデータは、公営排水処理施設へ流入するPFOA及びPFOSといった2種類のPFASの含有量を削減する計画を、同施設運用事業者が策定する際に活用される。またこれらのデータは、PFOA及びPFOSの含有量を制限する地下水や表面水の水質基準の設定や規制化による経済影響を分析する上でも役立てられる。DNRは、PFOA及びPFOSを対象とした地下水水質基準を今秋に設定するために、規制手続きを現在進めている。その一環として、複数のステップごとに一般市民から意見を取り入れることを予定している。

EPAは現在これらのPFASを対象とした連邦レベルの規制を制定していないことから、州政府がPFAS汚染の問題解決に向けて取り組んでいる。ウィスコンシン州が今回開始したサンプリングテストは、ミネソタ州やミシガン州などの他州でも既に導入されている。ウィスコンシン州健康サービス局は、PFOA及びPFOSの基準値を20pptparts per trillion)または20ng/Lnanograms per literにすべきであると推奨しており、同基準値の設定を進めている。規制が最終化されれば、同推奨値が法的基準値として施行される。

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