上院、5年間の水関係プログラムに約385億ドルを認める法案可決

上院環境公共事業委員会は2008年9月17日、上水・下水処理場のための州整備リボルビング基金(SRF: state revolving fund)に再授権し、SRFを含む水関係プログラムに2008~2012年の5年間で約385億ドル(約3兆9000億円)を承認することになる法案を発声採決で可決した。

この法案は、「水関係インフラ資金供給法(Water Infrastructure Financing Act)」(S. 3500)と呼ばれ、Frank Lautenberg上院議員(民主党、ニュージャージー州選出)が発起人である。これが法律になれば、10年を超える期間でSRFの最初の再授権となる。

しかし、上記委員会は、この385億ドルのうちのいくらを水質浄化法(CWA)に基づくSRFに割り当て、いくらを安全飲料水法(SDWA)に基づくSRFに割り当てるかという具体的な内訳については決められなかった。

なお、この法案では、特に汚染物質が地下水に入る前に水を処理するために環境面で健全な方法を用いるプロジェクトに重点を置いて、資金が認められるプロジェクトの種類が増やされる。

上記委員会のPete Rafleスポークスパーソンによれば、この385億ドルという金額は、その大部分は上記2種のSRFを対象としているが、下水管からの越流に対処するための助成金などの水関係プログラムのための資金も含まれている。

 

上記委員会はまた発声採決で、やはりLautenberg上院議員が発起人である、下水処理場の事業者が未処理下水の放出を監視し、報告することを目的とした「下水越流知る権利法(Sewage Overflow Right-to-Know Act)」(S. 2080)も承認した。この法案の要点は、次の通り。

  • 下水管からの越流が人の健康に影響を与える可能性がある場合、24時間以内に人々に通知しなければならない。
  • このような越流が人の健康を差し迫って相当危険にさらす恐れがある場合、下水道の所有者あるいは運営担当者は、越流の発生を知るや否や人々に通知しなければならない。
  • 下水処理の運営担当者は、すべての下水管からの越流を24時間以内に州政府あるいは環境保護庁(EPA)に報告し、引き続いて越流の継続時間と量および越流を軽減するために取られた措置について説明した報告書を提出する。

 

なお、下院でも同様な法案(H.R. 2452)が2008年6月23日に発声採決で可決されている。

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