ドイツ・インドが第一回環境フォーラムを開催 ――上下水道インフラ関連でGerman Water Partnershipが窓口に

2008年11月18日ならびに19日、インド・ニューデリーにて「第一回ドイツ・インド環境フォーラム」が開催され、両国は、環境保護および地球温暖化対策分野における協力関係を強化していくことで合意した。フォーラムでは、地球温暖化対策とエネルギー政策のほかに、水管理、下水処理、廃棄物処理といったテーマに重点がおかれ、ドイツのガブリエル環境大臣をはじめ両国政府関係者、企業、German Water Partnershipなどの団体から約250名が出席した。

インドは、ドイツ企業にとってCDM(クリーン開発メカニズム)事業実施先として重要な国の一つである。また、インドでは、エネルギー効率向上や資源の有効利用、さらに再生可能エネルギー利用促進といった領域における潜在的ビジネスに注目が集まるにつれ、環境技術への関心が高まっている。ドイツのガブリエル環境大臣は、「インド政府ならびに同国の経済界関係者との対話の中で、現在、同国でパラダイムの変革が起きつつあることがわかった。同国の巨大成長市場への門戸がドイツの環境技術産業に向けて開かれようとしている」とその印象を語った。

ガブリエル大臣はさらに、インドの排水処理分野の遅れを指摘した。現在、同国では排水全体のわずか20%しか処理されていない。加えて、再生可能エネルギー利用に関連して、「まだ電気のない生活をしている約4億のインド国民に電力を供給するためには、再生可能エネルギーの利用が不可欠である。農村地域においては特に、電力供給網が整備されることによって目覚ましい経済的かつ社会的発展が期待される」と述べた。

ドイツ環境省は、排出枠オークションにより得た収益を国際的な地球温暖化対策に活用しており、インドでのプロジェクト用に1000万ユーロ(約12億円)を予算化している。さらに、地球温暖化対策事業向けに6500万ユーロ(約79億円)のクレジットライン(信用与信枠)を設定している。

なお、ドイツ連邦政府は、自国の環境技術を世界市場に売り込むために、集中的な輸出促進策をとっている。環境省内には、環境技術輸出とCDM事業を取り扱うヘルプデスクが設置され、また、海外進出をスムーズに進めるにあたり、廃棄物処理ビジネスではRETech(Recycling- und Effizienztechnik – Made in Germany )、水ビジネスにおいてはGerman Water Partnershipといった団体が、業界をとりまとめるプラットフォームの役割を担っている。

今回の環境フォーラムでは、照明ランプメーカーOsram社(本社:ドイツ・ミュンヘン市)による最新のCDMプロジェクト計画が紹介された。同プロジェクトでは、インドの一般家庭に約120万個の省エネランプを取り付ける。Osram社の報告では、これによって約80万トンの二酸化炭素排出削減に貢献できるという。

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