2009年3月9日付の「京華時報」紙が水利部の胡四一(Hu Siyi)副部長の談話として報じたところによると、中国政府は今後、水資源の節約をいっそう推し進め、水不足が深刻な都市においては水道料金の累進化を実施するという。
このなかで胡副部長は、中国政府は新たな水道料金政策の実施と併せて、資源税の見直しもおこなうと述べた。時期については明らかになっていないが、資源税の見直しは2009年内には実施されると見られている。
胡副部長は、中国の水道料金は供給を反映したものでなければならないと述べ、さらにこう語っている。「われわれは、この国の深刻な水不足に見合った合理的な水道料金体系を設定する必要がある。都市によっては、水道料金が急激に上がるところもあるだろう」
水利部の最新の統計によると、大中規模の36都市の平均水価格は1立方メートル当たり3.77人民元(約55.8円)で、これは1年前とくらべて4.7%の上昇となっている。
いっぽう、北京市発展改革委員会は2009年1月、同市の水道料金を年内に値上げすることを明らかにしている。北京市の水道料金は現在、1立方メートル当たり3.77人民元で、これは2004年から据え置かれている。
胡副部長はまた、水利部が水の消費量の多いプロジェクトへの規制を強化するとともに、水利用の効率を高め、廃水排出への規制を改善し、取水の許認可制度を実施し、大量の水資源を汚染したり消費したりする可能性のあるプロジェクトについて環境アセスメントを義務づける予定であることを明らかにした。
水利部によると、中国では年間400億立方メートルの水が不足しており、全都市の3分の2が水不足に見舞われている。また、およそ3億人が安全な飲料水を利用できない状態にある。
このほか、2009年は他の天然資源についても政府価格と税率が見直される可能性がある。国家税務総局が2009年3月中旬に公表した2009年の税務概観には、資源税の見直し計画をおそらく年内には発表することになるだろうと書かれている。
また、中国の国家計画を策定する最高機関である国家発展改革委員会は、全国人民代表大会の最近の会合で公表した年次報告書のなかで、石油価格と電力料金の見直しを年内に実施することを明らかにしている。
しかし、2009年3月9日付の新華社の報道によると、財政部の廖晓军(Liao Xiaojun)副部長は、経済成長の減速と世界的な金融危機に直面しているいまはそのような見直しをおこなう時期ではないと言明している。