欧州上下水道組合連合、EUの水事情に関するレポートを発表――水政策の見直しを要求

水産業のロビー団体であるEUREAU(欧州上下水道組合連合)は、「ヨーロッパでは水が効率的に利用されていないため、水の利用法について見直すことはEUの課題である」と述べている。また、同団体の広報官は、気候変動と水問題の間には十分な関連性がないので、コペンハーゲンで開催されるCOP15でも水に関する議題は取り上げられないだろうと語っている。同団体は、2009年6月、ヨーロッパ各国の水事情についてまとめたレポート“EUREAU Statistics Overview on Water and Wastewater in Europe 2008”を発表している。

 

同レポートによると、農業に利用される水には飲料用ほどの品質が必要ないにもかかわらず、農業用水の大部分は飲料用と同レベルの品質のものであり、そのために多大なエネルギーが消費されているという。また、同レポートは、ヨーロッパではますます水不足が進行しているとして、警告を発している。

 

EUREAUは、2010年に始まる共通農業政策(CAP)改正の一環として、水政策の見直しを求めている。同団体は、イスラエルやオーストラリアのような水不足地域と同様のかんがい政策導入を主張している。また、水使用量に基づく価格体系によって農家に持続可能な水利用を奨励するよう要求している。

 

EUREAUが発表したレポート“EUREAU Statistics Overview on Water and Wastewater in Europe 2008”は、以下のウェブサイトで閲覧できる。
http://www.stilis.be/clients/eureau/publications/EUREAU_Statistics_Overview_on_Water_and_Wastewater_in_Europe_2008.pdf

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