韓国環境部は2009年5月中旬、生活廃棄物と下水スラッジなど廃棄物が有するエネルギーを積極的に活用するために、関連する法令の改正や制度の改善を進めていると発表した。廃棄物派生燃料(RDF)の場合、現在ボイラーの特性や使用者に係わらず、成型された固形燃料だけを使用するよう規定しているので、これを改善するために環境部は「資源の節約とリサイクルの促進に関する法律」の施行規則を改正し立法告示するという。
この改正案によれば、廃棄物派生燃料を使用することができる施設の基準を緩和し、成型されていない固形燃料(Fluff RDF)も使用することができるよう、貯蔵、保管、運搬などの各種基準が新たに策定される予定であるという。
下水スラッジも発熱量が高くて燃料としてリサイクルすることができるにも拘わらず、エネルギーとして使用されるよう許可されていないので、下水処理施設から発生する下水スラッジのほとんどは、焼却、埋立てなどの方法で処分されている状況である。しかし、これをエネルギーとして利用するために、現在「廃棄物管理法」が改正されており、下水スラッジの発熱量が3000キロカロリーを超える場合、石炭と一定の割合で混合してエネルギー源として使用する計画である。下水スラッジが燃料として使用される場合、石炭の使用量を削減することができると共に炭素の排出権も確保することができるので、約438億ウォン(約40億円)に上る経済的効果が得られると政府は見込んでいる。
また、環境部はバイオガスが都市ガスや自動車燃料などのエネルギー資源として活用されるよう、知識経済部と協力して関連する法令を改正し、都市ガスとして供給されるようにしたことがあり、今後バイオガスを自動車燃料として使用するための実験も推進する計画である。
環境部は、こうした各種制度の改善を通じて廃棄物をエネルギー源として使用することになれば、温室効果ガスを削減すると共に気候変動問題にも対応できるようになると見込んでいる。