シドニーの給水確保計画“Metropolitan Water Plan”に関する2008年の経過報告書によると、ダムや水のリサイクル、海水の淡水化や水利用の効率化で、シドニーで給水を確保する目標は達成できるという。
この報告書には、2015年までにシドニーで必要な水の12パーセントに相当する、700億リットルの水をリサイクルする計画は順調に進んでいると記載してある。2008年には250億リットルのリサイクル水が、産業用や灌漑水、ガーデン用に利用されているという。
また、シドニーのリサイクル水の容量を増やすために現在開発されている方法が、この報告書に記載されており、これには以下の方法が含まれている。
- 毎年Warragambaダムから180億リットルの水が放出されたままとなっているがこれに替わって、St Marysに高度な浄水場を建設する。
- Rouse Hillでの住宅用リサイクル水計画を拡大し、他の地域でも同様の計画を構築する。
さらに、経過報告書には、1日に2億5000万リットルの水を生産できる現在Kurnellで建設中の淡水化プラントが、2009年~2010年の夏から給水を開始すると、シドニーに必要な水の15パーセントまで供給が可能としてある。
また、水利用の効率化で2015年までにシドニーで必要な水の24パーセントを節約するという目標を、シドニーは達成すると報告書は指摘している。この目標を達成するための方法として以下の2点を挙げている。
- 節水洗濯機の購入に対し、一般家庭に払戻しを行なう。
- ニューサウスウェールズ州の水道局であるSydney Waterが行なっている、企業向け節水プログラム「Every Drop Counts Business Program」に産業界が参加する。
この報告書には、シドニーの飲料水の大半をダムで供給し続けるとしているが、“Metropolitan Water Plan”でシドニーでの給水手段を多様化する方法を導入するという。また、“Metropolitan Water Plan”は2009年に再検討されることになっている。
2008年の経過報告書は以下のウェブサイトで入手できる。
http://www.waterforlife.nsw.gov.au/about/2008_progress_report