オランダ内閣は2009年11月27日、J.クラマー環境大臣の提案していた新たな飲料水令(Drinkwaterbesluit)案を閣議了解し、上下両院に送付した。
http://www.vrom.nl/pagina.html?id=45445
飲料水令の内容の一部は、飲料水基準などの点で現行の水供給令を踏襲したものである。しかし、以下の点で新たな規制内容が盛り込まれた。
- 合理的かつ費用対効果のある水道料金を導入するなど、飲料水の価格に係る新たな規制を定める点。
- レジオネラ菌のさらなる感染予防対策を導入する点。すなわち、飲料水に殺生物剤(バイオサイド)を使用する際の例外的な適用免除要件を定めるとともに、未認証の新規設備を対象に、レジオネラ菌のリスク分析と管理計画を作成する認証会社の指定を義務づけること。さらに、このようなレジオネラ菌感染予防のルールに従わない会社に対して、厳しい罰則を導入すること。
- 水道会社の運営実績を比較するためのルールを導入する点。
- 突発的な水道供給の中断に備えるという観点から、水道会社向けに飲料水の供給安定確保に関するルールを導入する点。
今回の政令案に続き、次の4項目に関する詳細な規制を定める省令も制定される。
- 使用できる材料と化学品について
- 水道料金の支払いを怠る少量ユーザーの撲滅について
- レジオネラ菌について
- 量水の頻度について
これら新しい飲料水法、飲料水令、4つの省令は2010年半ばに施行される予定である。
欧州では毎年、数千人がレジオネラ菌に感染している。感染すると肺炎を誘発するほか、老人や免疫力の弱い人々の健康を著しく害することがあり、場合によって死に至らしめる。近年、欧州の多くの国で大規模な流行がみられる。オランダのような一部の国の場合、感染者の半分以上が外国で罹患している。そのため、レジオネラ問題は国際的な問題であり、共同の取り組みが必要になっている。オランダ健康審議会は最近、レジオネラ菌感染予防の取り組みを欧州レベルで強化するよう勧告した。この感染リスクはたとえば、飲料水や空調設備の定期的な点検によって削減される。こうした観点から、このたびオランダ環境省は、新たな飲料水令にレジオネラ菌感染防止対策の強化策を盛り込むことにした。
http://www.vrom.nl/pagina.html?id=4201