米国環境保護庁、安全な飲料水供給のための新方策を発表

米国環境保護庁(EPA)のプレスリリースによれば、ワシントンD.C.における大都市水道局協議会(AMWA)の年次大会での2010年3月22日の演説のなかで、同庁のLisa P. Jackson長官は、飲料水に含まれる汚染物質からの公衆衛生上の保護を強化するための一連の広範な新しい方策を策定中であることを発表した。

この新方策の目的は、地方や都市などの水ストレスで悩んでいる社会のニーズを満たすために、意思決定を合理化し、既存の法律に基づく保護を拡大し、費用効果的な新技術を推進することである。

飲料水に関する方策の転換は、次の4つの方針に基づいてまとめられている。

  • 飲料水保護の強化が費用効果的に達成できるように一度に1種の汚染物質に対処するのでなく、グループとして汚染物質に対処する。
  • 多岐にわたる汚染物質がもたらす健康上のリスクに対処するために新しい飲料水処理技術の開発を促進する。
  • 飲料水保護を促進するために複数の法律の権限を用いる。
  • 公共上水道におけるモニタリングで得られた、より網羅的なデータを共有するために州政府と手を結ぶ。

また、EPAは、科学の進歩によって発がん性化合物、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、アクリルアミドおよびエピクロルヒドリン、をもっと厳しく規制できると発表した。

2011年中に、EPAは、上記新方策の枠組みを用いてテトラクロロエチレンとトリクロロエチレンの基準を改定するための規則制定の取り組みを始める。アクリルアミドとエピクロルヒドリンの基準の改定は、その後行なわれる。

Jackson高官は、「今日と明日の飲料水の課題である、新しい健康への脅威、苦しい予算、ニーズの増加に立ち向かうために、われわれは、法律をもっと効果的に使い、新技術を推進しなければならない。ということは、費用効果的な保護を増やせる新しいアイディアを育てるということになる。それは、われわれの健康、環境そして経済のためのウィン・ウィン・ウィンの解決策を見出すことになる。そしてそれはまた、広範な協働をすることである。われわれの上水道をもっとよく働かせるためには、われわれはもっと賢明に働かなければならない」と述べた。

EPAはこのほかに、たとえば、子どもに対するリスクにもっとよく対処するために鉛と銅の規則のさらなる改定を検討し、クロム、フッ化物、ヒ素、それにアトラジンについて健康に関するリスク・アセスメントの継続中あるいはそのための情報の収集中であり、また過塩素酸塩(パークロレート)を規制するかどうかについて検討を続けている。

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