米EPA、プラスチック関連データ不足としてハワイ州不適合水域リストへの承認撤回

米国環境保護庁(EPA)は環境団体らによる訴訟を受け、ハワイ州が2018年に提出した水質浄化法(Clean Water Act)に基づく水質基準不適合水域リストの承認を撤回した。

水質浄化法における不適合水域リストの位置づけ

水質浄化法は、米国海域への汚染物質排出や地表水の水質基準に関する規制の枠組みとなる法律である。1948年に連邦水質汚染防止法(Federal Water Pollution Control Act)として制定の後、1972年に大幅に改正され水質浄化法と呼称されるようになった。

同法303条(d)の規定により、各州は水域ごとに設定した水質基準に照らし、基準に適合しない汚染水域及び健康への脅威が懸念される水域(impaired and threatened waters)のリストを2年毎にEPAに提出し承認を得る必要がある。各州はリストに掲載の水域について原因物質を特定し、汚染の深刻度や水の使途に応じた1日当たり総合最大許容負荷量(TMDL:Total Maximum Daily Load)の策定を優先的に実施する。

各州は、水域が水質基準を満たしているかどうかの判断にいかなる方法をとっても良い。ただし連邦規則により303条(d)のリスト作成にあたっては「すべての既存および入手可能な情報」を評価することが義務付けられており、使用するデータや情報を恣意的に取捨選択することはできない。

EPAがハワイ州提出リストの承認撤回、同州に対応を要請

生物多様性センター(Center for Biological Diversity)、サーフライダーファウンデーション、サステイナブル・コーストラインズ・ハワイの3団体は2020年2月に訴訟を起こし、EPAは水質浄化法および行政手続法に違反し、ハワイ州が2018年に提出したリストの承認にあたりマイクロプラスチック汚染状況の確認を怠ったと主張した。

これを受けEPAは2020年3月20日、ハワイ州保健局に宛てた書簡により、ハワイ州が2018年に提出したリストは、同州が「プラスチックに関連するすべての既存および入手可能なデータ・情報を収集し評価する法令上・規制上の義務を充足」していることを明示するものではなかったとして承認を撤回した。またEPAは同州に対し、プラスチック関連データの収集と評価を行い、その結果について、可能であれば州内の水域が水質基準を満たしているかどうかの分析結果も含め2020年5月29日までに提出するよう要請した。

サーフライダーファウンデーション法務ディレクターのAngela Howe氏は今回の動きについて「我が国の水質保護関連法を通じて海洋プラスチック汚染問題に対処し、海岸やサンゴ、海洋生物の将来における損傷を防ぐための重要な第一歩」であると述べた。裁判所の記録によると、環境団体らとEPAは和解交渉に入ったという。

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