ハンガリーのペーチ(Pécs)市(人口は国内第5位)は、2009年、市当局が、同市の飲料水供給事業を行うフランスSuez社との運営契約を突然、一方的に打ち切ったが、この件に関してSuez社は、ウィーンの国際仲介裁判所に訴訟提起することを計画している。同社は、以前、ハンガリー商工会議所に対して、「契約の打ち切りには、なんら法的根拠がない」として異議を申し立てていたが、この訴えは退けられていた。
ペーチ水道局の51%の株式を保有する市当局は(Suezは49%の少数株主持分を保持)、Suez社の水道料金の値上げは市民の意向に反するとして、2009年秋、契約を打ち切った(EnviX Water Business Joournal第34号参照)。Suez社の担当者は、「わが社は、正義を求め、ウィーンの裁判所に提訴する。正当な理由がある場合には、時に水道契約が契約終了期限の前に打ち切られることもあるが、ペーチ市での契約打ち切りは、まったく正当できないもので、違法な手段である」と語っている。