欧州委員会、水枠組み指令の優先物質リストに新規物質を追加の意向――19物質が既に候補に

欧州委員会が2011年1月中旬に明らかにしたところでは、同委員会としてEUの水質規制、すなわち水枠組み指令の下で規制対象となっている優先物質リストに新たな物質を追加収載することを検討しているという。この優先物質リストを拡大する具体的な法案の上程は、今春に公開協議が行われ、そのあとの6月になるとみられている。

また、欧州委員会としては、同リストに追加される新規の優先物質のすべてについて環境品質基準(EQS)も提案することになる。既に19の候補物質が確認されているといわれているが、欧州委員会は現段階ではさらに詳しい情報は提供したくないとしている。

それでも、将来規制対象となる候補物質として2008年のEU指令で同リストに収載された物質の中の5~6種の化学物質は、上記の19物質の中のものである可能性があるという。それらの物質には、残留性の過フッ素化化合物であるPFOS、ビスフェノール-A、及びglyphosateなどが含まれると見られている。

既に挙げられた19物質についてはEU加盟国の専門家で構成される作業部会によって欧州委員会内部で審査が行われている。これらの一部の物質は追加するべきものとして合意されているが、他の一部物質は議論が分かれているようである。この作業部会での審議はさらに数ヶ月間続くものといわれている。

19物質のすべてについてEQS案が既に策定されており、EUの健康と環境に関する科学委員会であるSCHERは、これらのEQS案について意見を提示するよう求められている。また、既存の多数の優先物質についても修正されたEQSsが提出される見通しです。

現行の33優先物質のリストは2001年に採択されたもので、その中の5~6物質は「優先有害物質」と指定され20年以内に全廃されることが決められている。これを規定している水枠組み指令は2008年に修正されており、そのときにEQSが設定された。欧州議会としてはリストに収載する物質件数を64まで拡大したいとしていたが、結果的に拒否された経緯がある。

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