米環境保護庁、ウィスコンシン州の農場、廃水処理施設、産業発生源についてのリンに関する規則を承認

米国環境保護庁(EPA)の第5支局によれば、同庁は、農場、廃水処理施設、産業発生源からのリンの排出に関するウィスコンシン州の規則の改定を正式に承認した。

このEPAの承認は、2010年12月30日付のウィスコンシン州天然資源局(DNR)宛ての書簡のなかで伝えられた。これは、水質浄化法(CWA)によって、EPAが州の水質基準のすべての重要な改定を検討し、承認することを求められているからである。

この改定規則は、2010年6月にDNRの天然資源委員会によって採択され、ついでウィスコンシン州議会の環境委員会によって承認されたものである。そしてこの規則は、2010年12月1日からリンを排出している関係者に、また2011年1月1日から農業従事者に適用されることとなった。

DNRによれば、ウィスコンシン州の172の湖沼と河川は、リン汚染が原因で水質が悪化していると指定されている。さらに、河川評価データでは、何千もの河川でリンが過剰になっていることが示されている。このような状態のため、水路では溶存酸素が減り、食物連鎖が破壊され、水生動物種の生存能力が影響を受けている。

この新規則は、リン汚染について、産業と都市の水処理システムなどの特定汚染源と農場や都市のストームウォーター(雨水など流出源を特定できない流出水)システムからの流出などの不特定汚染源の両方に焦点を合わせている。この規則はまた、規制を受ける事業体に数値水質基準を制定することでリン問題を抑制するための科学的根拠を持つ取り組みであることを特色としている。

この新規則の要点は、次のとおり。

  • すべての河川、湖沼、貯水池、そしてそれぞれの水路内の水生生物をやはり支えている五大湖のなかで許容できるリンの上限が制定される。
  • 地表水にリンを放出するすべての特定汚染源に技術に基づくリンの上限を決定するよう求めている。しかし、いくつかの小規模の公共下水処理場は、免除される。
  • 特定汚染源のなかで水質に基づくリンの放出上限を決定しなければならないものがある。これには、産業と都市の廃水の排出と場合によっては動物飼養業が含まれる。
  • 技術に基づくリンの上限は、この規則によって定められる限界値を超える特定汚染源の排出に課される。この規則には、汚染者が遵守しようと努める「適応管理法(adaptive management approach)」が含まれている。この方法では、リンの放出を抑制するための費用効果的な対策を目的とする特定汚染源および不特定汚染源の間の協力的なベンチャーが認められている。

農業に関して、農業従事者は、リンの放出量を農地の傾斜、土壌のリン濃度、平均降雨量などの要素を考慮した8年間の平均値以下に抑制することを求められる。州政府による調査では、現時点では農地の5分の4はこの基準を満たしていると見積もられている。このリン・プログラムでは、州政府が農業によるリン汚染の抑制関連費用の一部を分担することが想定されている。

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