中国科学技術部、海水淡水化事業を推進へ

2011年4月6日、「2011海水淡水化・水再利用国際討論会」が天津市で開催された。主催者は天津市政府、国家海洋局及び国際脱塩協会(IDA:International Desalination Association)である。科学技術部社会発展科学技術司の副司長によれば、現在までに中国は高圧逆浸透膜の生産ラインの建設、1.25万トン/日の生産能力を持つ低温多重効用法の海水淡水化装置及び海水淡水化用の高圧ポンプなどの付帯設備の開発を完了し、生産能力が5万トン/日以上の大型海水淡水化プラントをいくつか建設する計画であるという。

中国の海水淡水化技術は目覚しい進展を遂げ、プロジェクトの設計・建設能力及び重要装置の生産・開発能力は絶えず向上している。海水淡水化技術を更に発展させることを目指し、科学技術部は十二五ヵ年(第12次5ヵ年)海水淡水化科学技術発展の専門計画(以下、「計画」と称す)を策定し、近く公表する見込みである。

「計画」によると、これからは逆浸透、低温多重効用式蒸留などの主要技術・装置を引き続き発展させ、海水淡水化プロジェクトの設計及び運営管理技術を研究し中国の海水淡水化技術・装置・基準体系を一層整備させ、海水淡水化新興産業の育成を加速する。中国政府は海水利用の新産業を発展させるとともに、国際的提携を大いに推進し世界の水資源欠乏問題に対応する、としている。

国際海水利用産業の急速な発展に従い、中国の海水淡水化・総合利用産業も短期間に発展している。海水淡水化能力は2001年の3万トン/日から現在までに60万トン/日までに向上し、海水の直接利用量は毎年600億立方メートルに近づき、海水淡水化産業は戦略性海洋新興産業の重要な部分となる見通しである。

淡水資源欠乏の現況を改善し海水淡水化・総合利用産業を推進するため、すでに中国政府は一連の施策を打ち出している。2005年8月には中国は初めて「海水利用専門計画」を公表し、中国の海水淡水化・総合利用産業は急速な発展時期を迎えてきた。天津市などの10ヵ所の沿海地域の省・市は相次ぎ地方の海水利用計画を実施してきた。天津市、青島市などの沿海都市は海水利用産業に基礎を置き、海水淡水化装置の設計・加工・生産などの一連の産業群を形成させている。

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