フィリピンで廃液の不法投棄犯に実刑判決

フィリピンの首都マニラ近郊にあるカローカン市の水路に廃液が不法投棄された事件で3人の犯人が実刑の判決を宣告され、環境・天然資源省はこれを勝利と位置づけた。

カローカン市の地区裁判所第27支所はこのほど、Allan Lumanog、Ariel Olaje、およびArwin Reyesの3名に対し、2004年の水質保全法(共和国法第9275号)に違反したとして最長10年の拘禁刑を宣告した。首都圏環境管理局のRoberto Sheen地域担当課長はこれを「環境の勝利」と評し、最高裁判所が2010年4月に公布した環境事案の訴訟手続き規則のもとでの証拠保全の手順を踏んで水質保全法の罰則条項が適用された結果の判決だと述べた。

Ramon J. P. Paje環境・天然資源大臣も、この判決の内容とタイミングを称賛し、つぎのように述べた。「おりしも政府が民間部門や地方政府と協力して河川の水質浄化に積極的に取り組んでいるときに下されたこの判決は、われわれが環境法規の違反者をいかに厳しく追及しているかを示すものだ」

事件のあらまし:

Lumanog、Olaje、Reyesの3名は、46個の容器にはいった液体を水路に投棄していたところを、カローカン市の官吏らによって現行犯逮捕された。首都圏環境管理局の技術スタッフが分析した結果、容器にはいっていたのは高濃度の銅と亜鉛を含む廃液だったことが判明した。こうした廃液は、1990年の有毒物質・有害廃棄物・核廃棄物規制法のより厳格な施行を定めた環境・天然資源省行政命令のもとで有害廃棄物に分類されている。

不法投棄が発覚したのは、付近の住民から悪臭がするとの通報があったためで、これをうけた官吏らが臭いをたどっていくと、それは駐車中のジプニーに積んであった廃液の容器からのものであることがわかった。さらに、近くの家屋に踏み込んでみると、その家の下には水路があり、犯人らは家のなかから容器の内容物を水路に流し込んでいた。水路は近くの川に注ぎ込んでいた。

犯人らはその場で現行犯逮捕され、押収された証拠品とともにカローカン警察に引き渡された。警察は環境・天然資源省に連絡し、首都圏環境管理局の技術者らがただちに現場検証をするとともに、押収した廃液の科学分析を実施したというのが事件の顛末である。

なお、裁判所は判決ののち、首都圏環境管理局に対し、押収した廃液をただちに適性処分するよう命令した。

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