インド内閣は、2011年4月6日、“国家水戦略(National Water Mission)”を承認した。同戦略は、2008年に公表された“気候変動アクションプラン(National Action Plan on Climate Change)”が掲げる8つの戦略のうちの一つであり、その目的は、“統合的な水資源開発および管理によって、水を節約するとともに無駄使いを最小化し、インド全土に公平な水の配水を保証すること”である。同政策文書の策定に際しては、水資源省(Ministry of Water Resources)がその中心的役割を果たすとともに、その他の関連省庁や州政府、NGO、研究者など、多様なステークホルダーが関与している。
新たに閣議承認された国家水戦略は、以下の5つの目標を設定している。
- 水に関する包括的なデータベースの構築および気候変動が水資源に与える影響の評価
- 水資源の節約、拡大、保全に向けた市民および州の取り組みの促進
- 過剰搾取等による脆弱な地域への注力
- 水使用効率の20%向上
- 流域レベルでの統合的水資源管理の促進
また、同戦略は、戦略を実施するための政策およびガイドラインを策定するために、連邦レベルおよび州レベルで、それぞれ個別の組織を設立することを提案している。今後、連邦レベルでは、連邦政府水資源省が率いる統括機関が設立され、また州レベルでは、水資源管理当局長官が指揮するモニタリング委員会が設置される見込みである。
今後、連邦政府水資源省を中心に、経費やスコープに微修正を加えながら同戦略の優先事項が実施される。