中国環境保護部、化学調味料に係る汚染物質排出基準の策定・改正に取り組む

環境保護部は今後5年間のうちに、各産業における水質汚染物質、大気汚染物質、固形廃棄物、化学物質汚染および騒音公害などを対象とした100項の国家環境保護基準を策定・改正する予定がある。工業排水汚染の分野では、鉄鋼・医薬業などの排水や、海洋石油開発工業における含油排水への対処に重点が置かれる。

希土類金属(レアアース)、鉛酸電池、火力発電に係る汚染物質排出基準が2011年から相次いで策定されており、国内では各産業への影響が次第に現れている。特に鉛酸電池の汚染物質排出基準の実施に関しては、関連企業の90%が淘汰されると見られている。

希土類金属、電池などの産業の汚染物質排出基準の公表に伴い環境保護部は「化学調味料の工業排水処理プロジェクトの技術規範(意見徴収稿)」(以下「技術規範」)を打ち出し、「技術規範」において規範化された技術および工程を関連企業が採用し、排水排出現状を改善するよう要求した。

「技術規範」の公表は、各企業が新技術および工程を積極的に利用し自ら環境保護レベルを引き上げることにつながると見られている。「技術規範」の公表の他に、環境保護部は2003年に策定された化学調味料の工業汚染物質排出の国家基準も改正中であり、有機排水やCODなどの排出上限値に関して更に高い要求を打ち出す予定である。

中国国内では、化学調味料産業における高濃度有機排水の汚染は際立った問題となっている。2007年、化学調味料産業は高濃度有機排水を2850万トン排出、排出したCOD発生量は142万トンに達した。化学調味料1トンあたり高濃度有機排水は約15トン発生した。

「技術規範」では、2003年に策定された化学調味料の工業汚染物質排出国家基準および2008年の改正意見徴収稿に基づいて、各企業に技術・工程向上するよう要請している。一部メディアが報道したところによると、企業が「技術規範」を厳格に実施すると、化学調味料産業の半分の生産能力が淘汰されるという。

2008年の改正意見徴収稿では、汚水の排出上限値は80m3/トン、CODの排出上限値は150mg/リットルであった。改正中の国家排出基準では上記の排出上限値をさらに引き下げる可能性がある。

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