Veolia、イギリスの水道会社3社売却へ

フランスの巨大ユーティリティ、Veoliaは、イギリスの水道会社3社や、50%を保有していた公共輸送会社Transdevの株式など、総額50億ユーロ(約5000億円)相当の資産を売却する。これまで、Veoliaは2度にわたって利益予想を下方修正し、その後、2011年11月にはFitch RatingsがVeoliaの信用格付けを引き下げた。今回の資産売却などにより、Veoliaは150億ユーロ(約1兆5000億円)の純負債を2013年末までに120億ユーロ(約1兆2000億円)以下に減らしたいとしている。

イギリスの水道会社3社:

Veoliaが売却するイギリスの水道会社3社――Veolia Water Central、同Southeast、および同East――は、合わせて300万人以上にサービスを提供している。Veoliaはこれら3社を1987年から保有していたが、2009年までの社名はそれぞれThree Valleys Water、Tendring Hundred、およびFolkestone & Doverだった。これら3社の年間売り上げは合わせて2億6900万ポンド(約323億円)である。

公共輸送会社Transdev:

世界最大の水道ユーティリティであるVeoliaは、イギリスで保有する廃棄物事業、公共水道以外の水関連事業、およびエネルギー・サービス事業を売却する予定はないとしている。

しかし、Transdevの保有株式の売却は、イギリスにおける公共輸送事業からの撤退を意味している。Transdevは、ロンドンで12のバス路線を運営するLondon Sovereignと、ランカシャー、ノース・ヨークシャー、およびウェスト・ヨークシャーでバス事業を営むBlazefieldを傘下にもつとともに、イングランド最大の公共バス事業を営むNottingham City Transportの18%の株式を保有している。Transdevはまた、ロンドンでエコ・タクシー・サービスを展開するgreentomatocarsを所有している。

Transdevは2010年にVeoliaの輸送部門とフランス国有銀行Caisse des Depots et Consignations(CDC)が合併してできた会社である。Veoliaが保有するTransdev株の買い手としていくつかの企業がとりざたされているが、そのひとつとしてCDCの名前が浮上したこともある。

今後の展開:

Veoliaはまた、アメリカの固形廃棄物事業を売却したいと考えており、さらに、「地理的な事業範囲」を現在の77ヵ国から40ヵ国に縮小することを計画している。Veoliaは今後、中東欧、中国、およびフランスにおける事業、それに、イギリスの廃棄物事業、およびアメリカにおけるエネルギー・サービスに集中して取り組んでいくとしている。また、Veoliaは配当の引き下げと、2013年から2015年にかけて7億6000万ユーロ(約750億円)を節約する経費節減計画を公表している。

こうした展開についてVeoliaのAntoine Frérot会長兼CEOは、同社の「野心的だが現実的な」方向転換計画は社内の「徹底的な改革をうながすこと」を狙ったものだと述べている。同会長兼CEOはまた、Transdevは「将来もっと重要になるとわれわれが考えている他の事業」と資金的に競合した可能性があると述べ、さらにこう付け加えている。「われわれはいま、困難な時期に備えて会社の態勢を整えているところだ」

Veoliaの株価は、2011年7月、利益予想の下方修正をしたあとにおよそ半値にまで下がった。Fitch Ratingsは、「軟調気味」の経済がVeoliaグループの廃棄物部門に痛手をあたえるおそれがあるとしている。

こうしたVeoliaの動きについて、パリに本社を置くKBL Richelieuのアナリスト、Chicuang Dangはこう分析している。「Veoliaの計画はある程度の安心感をあたえることになろうが、市場はそれが実行されることの確かな証拠を求めている。道のりは長い。コスト削減や資産売却の効果はすぐにはあらわれないからだ。これがVeoliaのラスト・チャンスだ」

タグ「, 」の記事:

2020年7月9日
米カリフォルニア州政府、飲料水中のマイクロプラスチックの定義を発表
2020年7月9日
米EPA、飲料水中の過塩素酸塩を規制しない方針を最終決定
2020年5月9日
米カリフォルニア州政府、飲料水中の六価クロムの新汚染基準策定に向けたワークショップを開催
2020年3月24日
米EPA、飲料水中のPFOAとPFOSの規制を予備決定
2020年2月23日
米州水規制規制機関協会ADERASA、上下水法規に関する第12回イベロアメリカ・フォーラム開催