米国のSherrod Brown上院議員(オハイオ州選出、民主党)のスポークスパーソンによると、同議員は、2012年1月25日時点で、下水管からの越流とストームウォーターの流出に自治体政府が対処するための統合された柔軟なアプローチを推し進めることを米国環境保護庁(EPA)に求める法案の提出を考えている。
それに対して、全米水質浄化局協会(NACWA)は、そうした法案は、「雨天管理助成金(wet weather control grant)」の支給に対する再授権と、同協会が提言してきた統合計画アプローチ(integrated planning approach)の活用の容認を柱とするものになるだろう、と述べた。
NACWAによると、この法案は、地域社会が統合計画アプローチを採用している場合、通常5年間の許可期間を延長する裁量をEPA長官に与えることになるという。
EPAの水質と施行・法令遵守保証を担当する部局は2011年10月、下水管からの越流とストームウォーターの流出に対処するために統合計画アプローチの自発的な採用を検討するよう自治体政府に求める共同メモを発表していた。
NACWAは、EPAが、国家汚染物質排出削減システム(NPDES)の許可期間が現在の5年間に制限されずにすむ統合計画アプローチへの移行を検討することを望んでいる。
NEDES許可は、ストームウォーターと廃水――分流式下水道越流水、合流式下水管越流水、および都市下水処理場――の管理プログラムに別々に発行されている。しかし、EPAが考えている統合計画アプローチでは、1つの許可で廃水とストームウォーターの放出の両方を管理できることになる。
EPAは、統合計画アプローチに関する文書案を発表しているが、その文書案には、統合計画がどのようにして廃水やストームウォーターによる汚染管理プログラムをひとつの許可で済むようにするのかについての明確な説明がない。
EPAは、1月31日より一連のワークショップを開催し、州当局者、環境保護団体、および自治体の下水処理場所有者から、廃水とストームウォーターの統合許可アプローチについての意見や情報を提供してもらう予定である。
2011年12月、NACWAのDavid Williams会長は下院輸送インフラ委員会で証言し、許可更新の問題に煩わされることなく長期間アプローチを推進する柔軟性を自治体政府が得ることができる統合計画アプローチを採用するよう、EPAを強く促した。
NACWAのAlexandra Dunn事務局長兼主任顧問弁護士は、「州政府は、実用的で柔軟性のある選択肢について検討することに前向きなので、今後数週間のうちにEPAが統合計画に関する話し合いをすれば、ちょうどそのための意見交換の場を提供することになる」と述べた。また、Dunn氏は、十分な財政的支援を得られてこなかった雨天管理助成金に対する再授権を主張したが、資金不足の状態にあるほかの水質汚染対策プログラムを犠牲にしてこの助成金に資金を提供しないよう、くぎを刺した。