台湾当局、高雄市の製油所の違法排水に対し罰金科す

台湾環境保護署(以下、環保署)の環境検査局が2011年8月に台湾中油股份有限公司(CPC:China Petroleum Corporation)高雄製油所の排水記録を監査したところ、同製油所が、揮発性有機化合物(VOCs)を含む汚水を後勁溪(高雄市を流れる河川)へ流す目的で、豪雨の際に違法に排水を行っていたことが明らかとなった。製油所のこの行為は、後勁溪流域の地区周辺に悪臭をもたらしていた。

この問題に対し、考え得る全ての要因を環保署が分析した結果、悪臭と違法排水との関連性が明らかになり、CPCが過去3年間にわたり55回も同様の違法排水を行っていたことも発覚した。環保署は高雄市政府にCPCの排水申告に対する許可を見直すよう求め、CPCに対しては行政罰法に従い罰金を科した。

後勁溪は、全長21.6km、その流域は7688ヘクタールに及び、大社区、仁武区、橋頭区、鳥松区、左営区、楠梓区といった高雄市内のいくつもの区を流れている。Zhuzimen橋とDemin橋の区域では、暴風雨の後に河川が深い赤色に染まり不快臭が立ち込め、周辺住民の苦情と非難の的となっていた。CPCの違法排水に関する環保署の調査により、後勁溪流域で生じていたこうした問題の要因がCPCの違反行為にあったことが判明した。

環保署は高雄市政府に対し、CPCの過去3年間にわたる55回の違法排水に関して行政罰法に従い罰金を科し、未処理の汚泥の焼却およびその後の焼却灰の廃棄にかかった費用についてもCPCに支払いを求めるよう指示した。また、CPCには、全てのシルトもしくは泥を取り除き正常な河川の状態に戻すよう排水管の総点検を行うよう促した。後勁溪流域では、厳格な点検が実施されるようになって以来、住民から異臭に対する苦情が寄せられることがなくなった。

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