欧州議会環境委員会は2012年5月29日、EU諸国のすべての産業部門や使用者に対してウォーターメーターの導入を義務化することを提案した非立法報告書(non-legislative resolution)を公表した。同文書では、欧州委員会が農業部門を含めた国内の水使用を計測するための機器に関する規制を設けるべきであると言及された。オーストリアのRichard Seeber議員が作成した原案では、エコデザイン、節水そして水の計測の重要性に触れただけであったのに対し、修正された報告書ではより強い表現でそれらが強調され、欧州緑の党に所属するフランスのSandrine Bélier議員、およびギリシャのNikos Chrysogelos議員による意見が反映された結果となった。
その他の修正点としては、環境および資源コストの回収を目的とした料金体系について5大政党が共同で提案を行った。それによると、水質汚染、水消費、そして廃水処理によって発生する外部費用を内部化するための戦略策定が欧州委員会に対して要求された。
同報告書について、欧州議会にて2012年7月に審議が行われる。2012年5月22日から25日にかけて開催された欧州最大の環境会議であるグリーンウィークでも指摘されたように、河川、湖沼そして地下水環境の改善に向けたより協調のとれた行動の必要性が再度検討される。また、2012年11月に発表される予定である水の安全保障のためのEU基本環境政策(Blueprint)に先駆けて措置が講じられる予定である。
URL:EU水規制の実施に関する報告書案
http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2009_2014/documents/envi/pr/897/897389/897389en.pdf
URL:EU水規制の実施に関する報告書の修正案
http://www.europarl.europa.eu/meetdocs/2009_2014/documents/envi/dv/903/903196/903196en.pdf