カリフォルニア州の西部地域自治体水道局はこのほど、同水道局の西部水リサイクル施設の拡張、改造、およびアウトリーチがすぐれているとして、カリフォルニア下水道局協会(CASA)の技術革新・業績賞を受賞した。これについて同水道局のJohn Rossi局長はこう述べている。「われわれには、局が担当している地域の水資源を確保し、コストのかかる地域外の水への依存を減らす責任がある」
5000万ドルをかけて処理量と水質を大幅アップ:
5000万ドル(約39億円)をかけた西部水リサイクル施設の拡張工事は、2011年に完了した。これは、60年近い歴史をもつ西部地域自治体水道局が単一資本資金制度を利用して実施した施設改善プロジェクトとしては過去最大のものである。この拡張工事により、西部水リサイクル施設の下水処理能力は3倍に増えて日量300万ガロンになり、処理のレベルも、水リサイクルのための処理としては最も高い3次処理にグレードアップされた。なお、拡張工事前は、この施設の処理能力は日量100万ガロン、処理レベルは2次処理にとどまっていた。
この施設でリサイクルされた水は、リヴァーサイド国立墓地やゼネラル・アーチー・オールド・ゴルフ・コースのほか、学校、庭園、果樹園、種苗場などでも散水にも使われている。また、リサイクル水の造水能力が増えたことで、地域外から水を買う必要性もその分だけ低くなった。地域外からの水は、長距離を輸送しなければならず、莫大なエネルギーの消費をともなうのである。
技術革新・業績賞とCASA:
今回の受賞について、西部地域自治体水道局の副局長であり、拡張プロジェクトの責任者を務めたJeff Simsはこう述べている。「水道の信頼性を高めるこのプロジェクトは、われわれのコミュニティに利益をもたらす一大事業だった。これが成功して、供給できる水が最大3倍になったのは、すばらしいことだ」
Sims副局長はさらに、同水道局が受賞をとりわけ誇りに思っているのは、それがカリフォルニア州全体の水道関係者らの判断によってあたえられたものだからだと述べている。この技術革新・業績賞は、既存の技術の革新的な応用または新たな最先端技術の開発にコミットしている州内の上下水道局にCASAがあたえる最高の栄誉である。審査には、CASA賞選考委員会があたっている。
CASAは、会員水道局、立法関係者、および一般州民に、情報支援や公報などをおこなうとともに、州民の健康と環境を守るため、水質向上や水の再利用についてのパートナーシップを推進している。