メキシコ上院議員、飲料水確保の権利を憲法に追加する法案を提出

メキシコでは2011年11月に、栄養のある食物をとる権利を入れるべく憲法が改正されたが、飲料水確保の権利も含めなければ不完全であるとして、第4条に以下の項目を付け加える憲法改正案が、上院議員より出された。

第4条


国家は全ての国民に対し、健全な生活に必要な十分な家庭用飲料水を、容易に確保出来る権利を保障するものとする。浄水設備は、文化的生活における必要性を満たすべく、安全な場所で適切に管理されなければならない。

法案の提議書では、以下の法案提議理由が述べられている。

メキシコでは2007-2012年国家水資源プログラムにより、主要都市での浄水場建設プロジェクトが進んでおり、今年末までには稼動浄水場は661ヶ所、全体で95,792リットル/秒の処理能力となる。また下水処理場は2,332ヶ所、処理能力は15,625リットル/秒となっている。また2008年には、米国やスペインのようなウォーターバンクも国家水資源局 CONAGUAにより設立されている。

しかし、水資源の汚染は急激に進んでおり、上質の飲料水が十分確保出来ない地域はまだ多い。またメキシコは全体的に乾燥気候であり、北部や国土の52%をしめる高原地帯の年間平均降雨量は500mm以下である。また降雨の50%は南東部に位置する河川に流れ込んでいるが、この河川流域は国土全体の20%に過ぎない。これらの降雨を利用する貯水池は一ヶ所しかなく、湖沼と合わせて390億M3の貯水能力となるが、これは降雨全体の34%である。

メキシコには全土に654の帯水層があるが、そのうち97は利用過多の状態である。水は重要な自然資源であるにも関わらず、その管理は緩く、水資源の私有化が進んでいる。現在メキシコでは220億リットルのミネラルウォーターが販売されているが、これは国民一人当たり170リットルであり、ミネラルウォーターの消費量は世界第2位である。これは、国民の基本的権利であるはずの水が、一部の民間企業に独占されている事を意味する。

なお、メキシコの飲料水普及率は、大都市で90%、地方都市では65%に過ぎない。飲料水普及率地図及び浄水場地図、その他水資源に関係する情報は、国家水資源局の以下のサイト内で参照出来る。
http://www.conagua.gob.mx/atlas/

法案は、以下のサイトでダウンロード可能(スペイン語表記)。
http://www.senado.gob.mx/index.php?ver=sp&mn=2&sm=2&id=36841

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