中国工業情報化部(MIIT)、水利部(MWR)、全国節水用水弁公室の3部門は共同で、「節水型企業構築に向けた取り組みの更なる推進に関する通達」(以下「通達」)を2012年9月12日付けて公表した。同「通達」は、「国務院:最も厳格な水資源管理制度*1の実施に関する意見」の徹底化や、工業界における節水への取り組みの推進や節水能力の向上、第12次5カ年計画における工業節水拘束性指標を実現することを目的として策定されたものである。
同「通達」は、重点用水業界における節水型企業の構築における取り組みを明確にしている。その一部詳細は以下の通りである。
[主な目標]
- 2013年までに、鉄鋼、紡織・捺染、製紙、石油製錬など重点用水工業分野における節水型企業の構築に向けた取り組みを実施し、節水型のモデル企業を育成し、業界節水モデル指標を公表する。
- 2014年までに、節水型企業を構築する範囲を食品・発酵、化学工業、非鉄金属などの重点用水業界に拡大する。
- 2015年までに、鉄鋼、紡織・捺染、製紙、石油製錬など重点用水工業分野に属する全ての企業で節水型企業関連基準を達成させ、工業分野において、節水型企業構築に係わる長期的に有効なメカニズムを形成する。
[具体的な要求]
- 企業節水管理制度の健全化
- 定額管理*2の強化・基準のレベルアップ
- 用水配管建設の強化
- 用水計量設備の配備・管理の健全化
- 節水に係わる新技術・新設備導入の強化、節水技術進歩の推進
- 凝縮水、冷却水の循環利用の強化、工業排水リサイクルの推進
- 従業員節水意識の向上
[取り組み実施に係わる管理]
主管部門:MIIT、MWR、全国節水用水弁公室の3部門が関連取り組みの実施を担当する。
節水型企業評価における基本標準:同「通達」では「節水型企業関連標準」、「節水型企業基本要求」、「節水型企業技術考課要求」、「節水型企業管理評価要求」を添付ファイルとして同時に公表し、関連基準と評価要求を明確にする。
[インセンティブ政策の強化]
関連主管部門は、技術改造、クリーン生産など財政専門資金を分配する際に、節水型企業を優先する;同一の条件の下では、節水型企業の新規建設、改造、事業拡大関連プロジェクトの用水ニーズを優先的に保障する。節水モデル企業の節水モデルプロジェクトの実施を優先的にサポーティングする。
一定の条件が揃う工業団地において、節水型企業の構築と節水型工業団地の構築とが共に推進されていくよう奨励する。
*1 最も厳格な水資源管理制度(最厳格水資源管理制度):水資源管理に関する指針。MWRが中心となり策定する。*2 定額管理:使用する水の量を一定の基準に基づき限定することを指し、企業はその量を超過して水を利用することは出来ない。こうした管理を実施することで、企業の節水・排水のリサイクルといった取り組みを促進させることがその狙いとしてある。