ロシアで、2013年4月、企業の排水活動に関連する以下の2つの政府決定が新たに公布された。両者ともに、ロシア天然資源環境省が定めたものである。
- 2013年4月10日付ロシア連邦政府決定第317号「表層水、地下水および集水域における汚染物質およびその他微生物を含有した廃水の放出の削減」
http://www.rg.ru/2013/04/23/voda-dok.html - 2013年4月17日付ロシア連邦政府決定第347号「環境保全施策に取り組む企業に対する環境課徴金の削減」
http://www.garant.ru/hotlaw/federal/469217/
2013年政府決定第317号
2013年政府決定第317号は、廃水基準を満たしていない企業に対して、基準を遵守するための設備の改良計画書を7年以内に提出することを要求している。同政府決定は、メドベージェフ首相により承認された後、2013年4月23日に公布された。
オランダ水パートナーシップ(NWP:Netherlands Water Partnership)が公表したレポートによると、最新の紫外線処理、オゾン処理および膜処理を用いて、如何に廃水中の窒素とリンを効果的に除去するかが、処理設備の改善を検討する上で重要な点だという。2013年政府決定第317号の下では、廃水基準を満たしていない企業は、水を再利用するための設備や十分な廃水処理設備を新たに整備することなどの施策、または既存設備の改善や性能向上のための計画を作成しなければならない。さらにこの計画書には、その実施スケジュール、誰がこの計画の責任者であるか、そしてどれだけ汚染を抑制することができるかなどを記載しなければならない。同計画書は、連邦天然資源監督局(Federal Service on Supervision of Natural Resources)の地方当局と協議した上で作成し、最終的に同局に提出することになる。
2013年政府決定第347号
一方、2013年政府決定第347号は、環境影響の低減に取り組んでいる企業に対する環境課徴金の削減に関するもので、2013年4月19日に公布された。同政府決定では、排水量の削減を目的とした設備投資などのコストに基づき、課徴金が削減されることとなる。当局は、同政府決定が廃水処理設備の新設または改修に向けた企業のインセンティブになると見込んでいる。