米上院委員会を水インフラ資金・改革法案が通過

アメリカ上院の環境・公共事業委員会は2013年3月20日、「2013年の水資源開発法案」(S. 601)を原案修正の上、満場一致で可決した。この法案は11の章(title)から成るが、そのうちのTitle X Innovative Financing Pilot Projects(第X章 革新的資金手当のパイロット・プロジェクト)には「2013年の水インフラ資金・改革法」というショート・タイトル(通称として使える別名)がついており、水インフラのための資金の供給にあたる公的機関を創設する内容を含んでいる。アメリカ水道協会(AWWA)*はこれを、莫大な資金を要するアメリカの水インフラ問題にとってきわめて重要な出来事として歓迎している。
なお、この法案は2013年5月までには上院本会議の審議に付される見込みである。

大規模な水インフラ・プロジェクトに国の低利融資を

この法案、なかでも第X章の「2013年の水インフラ資金・改革法」(WIFIA)が成立すると、全米のコミュニティにおいて、大規模な水インフラ・プロジェクトに国の融資を低利で受けられるようになる。こうした仕組みの創設は、AWWAが中心となって数年前から提唱してきたもので、法案が上院本会議にまわされることが決まったいま、AWWAは水道事業にかかわる全米のユーティリティや企業に対し、この法案を積極的に後押しするよう呼びかけている。
これについてAWWAのDavid LaFrance会長はこう述べている。「これは、アメリカの水インフラがいまや誰の目にも明らかな大問題であることをはっきりと示す大きな出来事だ。WIFIAが成立すれば、コミュニティは危機に瀕した水インフラをより低コストで改修することができる。WIFIAは、水道料金を支払うすべてのひとの利益になる」

満場一致で委員会通過

WIFIAは、運輸インフラで成功をおさめた同様の仕組みをベースにしたもので、コミュニティの水道管交換、浄水プラントの新設や回収、下水や水再利用や淡水化のプロジェクト、および上水道新設プロジェクトを助成する。
この法案が満場一致で環境・公共事業委員会を通過したことについて、AWWAのLaFrance会長はこう述べている。「委員会のBarbara Boxer委員長とDavid Vitter少数党筆頭委員は、かくも重要な水インフラ法案を模範的な超党派の取組で通したことで、賞賛されるべきだ」

AWWAが以前から提案してきたWIFIAの仕組み

AWWAは2012年に、Buried No Longer: Confronting America’s Water Infrastructure Challenge(いまや誰の目にも明らか:アメリカの水インフラ問題に立ち向かう)と題する報告書を公表した。この報告書でAWWAは、既存の上水道インフラの修復と拡張に、向こう25年間で1兆ドル(約94兆円)以上が必要になること明らかにした。報告書は、水インフラ更新の費用は、地方ごとの水道ユーティリティの顧客が料金値上げによって負担することになるが、「これを州政府と連邦政府が、たとえばAWWAが提案している水インフラ資金・改革公社のような信用補完の仕組みの創設などにより、コミュニティに必要な投資のコストを低減する周到で費用対効果性の高いプログラムを実施することで助成することが可能である」と述べている。

* アメリカ水道協会(AWWA)は、1881年に創立された科学と教育を旨とする国際的な非営利団体で、水質と水供給における安全と改善を使命としている。AWWAは4つの戦略――知識の創出と交換、リーダーシップと唱道、会員の関与と発展、および組織を挙げてのスチュワードシップ――を柱とし、水にかかわるあらゆるコミュニティをひとつにまとめて、水の管理、教育、および科学の発展に尽くし、すぐれた水政策を支援している。

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