インド・オリッサ州、今後10年間に渡る都市部への給水政策を準備

2013年4月末に報じられたところによると、現在、インド・オリッサ(Orissa)州*政府は、今後10年以内に都市部の全ての家庭に安全な飲み水を供給することを目指した、新たな給水政策を準備しているという。この政策では、都市部の各住戸に水道メーターを設置することが計画されている。オリッサ州政府は、同政策のドラフト作成の仕上げにかかっており、2013年5月末までには完成すると見込んでいる。この政策は、オリッサ州の上水道インフラの整備を後押しするものと期待が集められている。

都市部における上水道網の整備

オリッサ州首相のNaveen Patnaik氏は、州都ブバネーシュワ(Bhubaneswar)にてハイレベル会合を開いたが、この会合の中で、この給水政策が都市部における上水道網の整備を保証し、且つ給水システムを強化するものになるという方向性が決定された。オリッサ州住宅都市開発省のDebi Prasad Mishra大臣によると、現在ドラフトを作成中であり、5月中には内閣に提出する予定であるという。

オリッサ州政府の計画では、同州の都市部において、最初の5年間で50%の地域に上水道インフラおよび水道メーターを配備し、残りの50%についてはその後5年以内に導入していく予定であるという。住宅都市開発省のIntej Srinivas氏によると「水道メーターが設置されている家庭は1%未満というのが現状である」とのこと。

現在、同州の21の都市部においては、1日の1人当たり給水量は国全体の平均値である135リットルである。しかし、その他の49の都市部では、それよりもずっと低い値である。そのため、2011年の統計によると、都市部の約18.5%の人々が飲料水を得るために100 m以上離れた場所まで行く必要がある(2001年には21.1%であった)。

浄水供給用タンカーの追加と新たな井戸の掘削

またオリッサ州では、頻繁に水不足が起こり飲料水へのアクセスが困難な地域に対しても飲料水を提供することも目指している。現在、都市部以外の水不足地域には286のタンカーを動員しているが、今後その数を増やすことが予定されている。さらに、井戸についてもその数を増やしていくという。州政府によると、これまでに合計2万5019の井戸が掘られてきたが、使われていない井戸を改修し、さらに2013年の1月~6月の間に新たに4000の井戸を掘ることも決まっているという。

* インド東部に位置し、ベンガル湾に面している。州都はブバネーシュワ、人口は約3670万人、面積は約15万 km2。鉄鉱石、クロム鉱石、石炭、ボーキサイトなどの天然資源が豊富に存在し、ポスコやアルセロール・ミタルなどの主要企業が事業を展開している。インド合同商工会議所によると、2011年度の外国直接投資(FDI)を金額ベースでみた場合、オリッサ州が全体の27%を占め、州別の内訳で最も大きな比率を占めていた。州政府ホームページは次のURLである。
http://www.odisha.gov.in/portal/default.asp

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