シンガポール、企業の節水管理を支援する新たな国家規格SS 577:2012を発表

水資源の利用に関する国家規格であるSS 577:2012(以下、本規格)が、2013年3月22日に、シンガポール公益事業庁(PUB)から発表された。PUBとシンガポール規格・生産性・革新庁(SPRING Singapore)が協働して作成した本規格は、この種のものでは世界初となる、水資源の効率的な利用に向けた枠組みやガイドラインを企業に示すものとなっている。本規格は、体系的な水資源管理による水使用量の評価、節水に向けた計画の策定およびその実行を企業が実施できるようにすることを目的としている。

SPRING SingaporeのQuality & Standards部門のSteven Tanディレクターによると、本規格は企業の節水活動を後押しするものであり、これにより運営コストを削減することで、さらに競争力を増すことにつながるという。

また、PUBのWater Supply Network部門のChong Hou Chunディレクターは次のように述べている。「シンガポールにおける水の需要量は1日当たり4億ガロンに達し、そのうちの約55%が企業活動で消費されている。今後、2060年までには、現在の倍近い量の需要が予想され、さらに企業による消費の割合も70%に拡大すると言われている。このため、より効率的な水資源の利用の枠組みを整備することは重要な意味を持つ」

SS 577:2012は以下のURLにて購入可能である。
http://www.singaporestandardseshop.sg/product/ProductView.aspx?id=f98fe96b-c903-44cf-aaec-192238ee8c26

企業の水資源管理を推進するためのPUBの支援

PUBは、本規格を推進するために、水資源効率基金(WEF:Water Efficiency Fund)や水資源効率ビル認証(WEB:Water Efficiency Building)などの、新たな取り組みやインセンティブも導入してきた。WEFは、企業による水使用量の管理や改善を支援するための共同資金プログラムである。PUBはこのWEFの利用を推進するために、企業による水使用監査の費用に対する助成を、全費用の50%から90%に引き上げた(ただし、最大助成額は1万5000ドル(約141万円))。この監査費用には、水管理メーターなどの購入や設置に掛かる費用も含まれる。

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