Suez Environment社は、2013年10月8日、スペイン子会社Agbarを介してバルセロナ大都市圏(AMB)との上下水道事業契約を35年延長したことを発表した。35年間の契約額は120億ユーロ強(約1兆6200億円)で、そのうち35億ユーロ(約4725億円)は新たに追加された下水処理事業の占める分である。
この契約は1867年の締結から延々と更新されており、現在まで約150年にわたる超長期契約で、このたびの更新により少なくとも2048年までは継続されることとなった。フランスでは自治体からの受託契約の期間はサパン法により20年に制限されているが、スペインではそのようなことはないのが特徴である。
スペインにおけるSuezの攻勢
Suezは2010年にAgbar社を買収したが、もともとAgbar社の前身はバルセロナ水道局(Agbar)であり、同社はAMBを構成する24の自治体の約400万人にサービスを供給している。またSuezは最近、約50万人にサービスを提供しているles Eaux de Sabadell社の経営権の80%を掌握した。
これら一連のSuezの成功事例の背景には、カタルーニャ州(州都バルセロナを含む広域行政単位)のマスコミが“水戦争”と書き立てた激越な法廷闘争が隠顕している。特にスペインにおけるSuezの競合相手であるAccionaグループ及びAqualia社(総合建設最大手FCCグループ)は、AMBとの水関連契約の延長が違法であると主張して訴訟を提起したが、現在までのところ勝訴を勝ち取るには至っていない。