米政府監査院、安全飲料水法の改正で環境保護庁による30種超の汚染物質の監視を認めるべきと勧告

米国の政府監査院(GAO)は、2014年2月10日に発表した報告書のなかで、議会は安全飲料水法(SDWA)を改正し、一定の条件を満たす場合、30種を超える汚染物質を監視することを環境保護庁(EPA)に認めるべきだと勧告した。
GAOは報告書のなかで、たとえば「汚染物質候補リスト」(CCL)に挙げられた汚染物質や新たに懸念され始めた汚染物質などの最優先汚染物質を、EPAがすでに用いている分析方法を使って、最小コストで、かつ公共水道システムに最小限の追加負担しか与えずに監視できるのであれば、EPAが柔軟に対応できるようにすべきである、と述べた。

CCLは、飲料水中に存在し、懸念の対象になる可能性がある未規制汚染物質(UC)のリストである。EPAはCCLに基づいて、汚染物質を規制するか、別の措置を講じるかを決めている。
また、UCは、EPAが健康に基づく基準を制定していないが、飲料水中に存在することが知られているか存在が疑われる汚染物質である。UCの監視は、EPAがその物質の基準を作成すべきかどうかを決定するのに役立っている。

EPAは現在、指定した飲料水システムに対し、SDWAで許される最大水準である30種の汚染物質について監視することを求めている。GAOによると、こうしたEPAの要求により、UC監視プログラムは大幅に改善されたという。
GAOは2011年7月12日、UC監視プログラムを検討するために下院エネルギー・商業委員会が開催した公聴会で、EPAが30種の汚染物質を監視することを勧告していた。

今回GAOが発表した報告書、「飲料水:EPAはUC監視プログラムを改善したが、さらなる措置が必要」(Drinking Water: EPA Has Improved Its Unregulated Contaminant Monitoring Program, but Additional Action Is Needed)のそのほかの勧告は次のとおりである。

  • EPAは、データが汚染物質の存在を必ず正確に反映するようにするため、特定のUCの監視頻度を変えるべきである。たとえば、水道システムで散発的に発生するウィルスあるいは季節的に変動する農薬について監視する場合、UCMRの下では汚染物質の存在を正確に検出することは期待できない。
  • EPAは、汚染物質の健康関連情報は大量に入ってくるか、あるいは更新されているか、また、その情報は、UCMRデータが最初に収集されたときより健康への悪影響レベルは下がったことが示されているかどうかを考慮すべきである。
  • EPAは、以前に収集されたデータが、たとえば、工業や農業で使用される化学物質の種類が変わったため現状に即しておらず、汚染物質の正確な存在状況をもはや示していないということがあるかどうかを考慮すべきである。

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