世界の企業、環境NGO、国連機関など29組織が参加し、淡水資源の有効かつ持続可能な利用を目指す「水管理同盟(AWS:Alliance for Water Stewardship)」は2014年4月8日、責任ある水の使用・管理方法を定める国際基準を発表した。この「水管理基準(WSS:Water Stewardship Standard)1.0」は、AWSのウェブサイト(下記)によると、世界のあらゆるサイト、部門、集水地に適用可能であり、水リスクの緩和、集水上の共通の課題の克服、影響の最小化と効果の最大化のための責任ある水管理措置の確実な導入を手助けするものだという。またAWSはWSSの実施認証制度も2014年末までに導入する予定であり、認証を受けると、その旨を示す表示やロゴの使用が認められるという。
http://allianceforwaterstewardship.org/become-a-water-steward.html#aws-standard
世界最大の食品飲料会社ネスレや米食品大手ゼネラルミルズ、英流通大手マークスアンドスペンサーなどが参加して4年をかけて作成されたWSSは、4つの原則(善良な水ガバナンス、持続可能な汲み上げ、良好な水状況の達成・維持、重要サイトの回復・保全)に基づいており、あらゆる種類の水(淡水、飲料水、雪など)とあらゆる部門の施設・組織(産業プラント、発電所、水供給事業者、自治体、農業従事者など)に適用される。
ただし、欧州を本拠地として活動する施設・組織は、2011年に発表された欧州水管理基準(EWSS:European Water Stewardship Standard)を使った方が得策である。EWSS(下記URLで閲覧可能)はWSSと密接に関連し、その作成に携わった組織の一部がWSSの作成にも関与した。しかし、EWSSの指標と要件はEU水枠組み指令に基づいているので、欧州ではWSSより優先される。
すでにEWSSの実施認証を受けたサイトが数カ所あり、化学会社や製紙業者、空港など幅広い組織がEWSSを実行している。また農業部門でもEWSSへの関心が高まっている。
一方、これとは別にオーストラリアでは独自の地域版の基準が導入されており、同様の地域版の基準を作成する計画が他にも複数見られる。