米国・コネチカット州議会では現在、水圧破砕(フラッキング)による天然ガス採掘で生じる廃水の処理等を規制する法案が審議されている。これが成立すれば、州内での水圧破砕廃水の貯蔵やリサイクル処理が禁止される可能性がある。
同州では1年ほど前に、天然ガスを石油に替わる暖房用燃料として使用することが認められた。今回、水圧破砕廃水の処理等の禁止が検討されているのは、天然ガスを得るための水圧破砕の廃水が環境や健康にもたらすリスクを確実に回避するためである。
水圧破砕廃水の安全な処理は不可能と環境団体らは主張
これまで、さまざまな環境団体が、コネチカット州内での水圧破砕廃水への曝露を確実に防ぐためのいくつかの法案を支持してきた。彼らは、フラッキング流体には化学物質が添加されているためその廃水はきわめて有毒であり、それを廃水処理プラントで安全に処理することはできないと主張している。
そうした団体のひとつであるCitizens Campaign for the Environmentのスポークスマンは、天然ガスを他州から購入したからといって、それでコネチカット州に廃水の安全な処分を手伝う義務が生じるわけではないと述べている。
業界団体は不誠実な態度と批判
業界団体は、天然ガスの生産企業が生産にともなう廃水をペンシルヴェニア州などからコネチカット州内に持ち込む可能性はきわめて低いと述べている。
ただし、コネチカット石油協議会のSteve Guveyan事務局長は、水圧破砕廃水の処理等の禁止を法制化しようというのはある意味で不誠実な態度だと批判している。一方で天然ガスのパイプライン網の拡張を望みながら、他方では厄介者の始末はよそに押し付けようとしているというのが、その言い分である。