モスクワ市民による水の使用量がここ10年間で半減し、今後も減少を続ける見通しであるという。
公開型株式会社「Mosvodokanal(モスクワ上下水道局)」*のPonomarenko社長によると、この6~8年間で首都圏における1日の水使用量は650万m3から330万m3へと半減した。住民1人あたりの1日の水使用量は、現在168リットルだが、1990年代には440リットルを超えていた。水の使用量は今後も徐々に減少していくという。これは水道メーターの設置が関係している。住宅公益事業局のデータによると、現在の首都圏の住宅における水道メーター設置率は約70%となっている。
この他にも料金の値上げが節水を促すという。モスクワ政府による料金抑制政策のため、今年7月1日からの水道料金値上げは2.2%にとどまり、これは予想インフレ率を大幅に下回っている。しかし会社はインフレ率と同じ5%の値上げを来年度に予定している。
現在モスクワでは、電力消費量を12億kWh削減することが重要な課題となっている。昨年度はエネルギー効率の高い省エネ機器の導入を伴う省エネプログラムにより、電力3370万kWh、水130万m3、総額1億500万ルーブル(約2億9700万円)相当のその他の資源が、節減された。今年度は資源節約のために、下水ポンプ場が2件と東浄水場が1件の、計3件の契約が締結される。投資回収期間は3~5年の予定。
この他にも、クリヤノヴォ下水処理場では生物処理ブロックの導入が開始された。これはリュベルツィ下水処理場と同じもので、これにより今よりも綺麗な水をモスクワ川に排水できるようになる。モスクワ南東部の住民を悩ませてきたニオイ対策として、年末までにクリヤノヴォ下水処理場の沈殿タンクに屋根が設けられる。また水道網の改修作業により毎年6%ずつ損傷数が減っており、現在の水道管100kmあたりの損傷数は年間30カ所となっている。
* モスクワ市の住民およびモスクワ州の一部地域、1300万人以上飲料水を供給している。飲料水は、モスクワ川、ヴァズザ川、ヴォルガ川の水系を構成する15の貯水池及び河川から取水され、5つの浄水場で飲用処理されている。使用済みの廃水は全て4つの下水処理場に送られる。