パラグアイ公共事業・通信省の上下水道局長は、2018年までに下水道網普及と下水処理率を50%、上水道普及率を75%とすることを目標とする、投資総額24億2000万ドル(約2460億円)の上下水道整備プロジェクト計画及び、チャコ・セントラル上水道などの現在進められているプロジェクトの進捗報告を発表した。
今後の主なプロジェクトとしては、投資額300万ドル(約3億510万円)の首都アスンシオン市及び近郊の下水道及び汚水処理プラントや、投資4億2000万ドル(約427億円)のイパカライ湖周辺地域の下水処理、ユキリ川の汚水処理プラント、ブラジルとの国境近くのシウダー・デル・エステ市などの上下水道サービス網近代化、都市部の河川の浚渫など、5つのメガプロジェクトが挙げられている。これらのプロジェクトにより、2万8千人の直接雇用が創設され、人口257万人をカバーする51万4800世帯に下水道が届き、人口310万人をカバーする62万世帯の汚水が処理されることになる。
現在進行中のプロジェクトに関しては、チャコ・セントラルの上水道建設の他、国際復旧開発銀行の300万ドル(約3億510万円)の融資によるアスンシオン市の下水道修復プロジェクトや、現在入札中のビジャ・エリサの汚水前処理プラント建設プロジェクトなどが紹介された。上下水道局長は、近年上下水インフラ事業は大きく進んではいるが、目標達成の為には民間の投資が重要である点を認めている。
尚2014年4月11日に米国ワシントンで開催された「万人の為の衛生と水パートナシップ(SWA)」の第3回会議に出席した公共事業・通信大臣は、2030年までに上下水道普及率を100%とすることを約束した。パラグアイは、ラテンアメリカ・カリブ諸国で唯一のSWA加盟国であり、現在の下水道普及率はわずか11%、下水処理率は3%に過ぎない。政府の2013-2018年計画では、貧困の削減と経済発展の為には健康な国民が必要であるという観点から、保健衛生部門が持続可能な開発の為の重要なファクターと位置付けられており、ラテンアメリカで最も低い上下水サービス普及率向上と、都市の貧困層地区や農村に住むインディオ系住民の不平等な生活の改善が、現政権の大きな課題となっている。
国際通貨基金IMFは、パラグアイの2014年度の経済成長率を4.8%と予測し、中南米地域で3番目の経済成長国として位置付けている。この数値は、パラグアイ中央銀行の予測値4.5%とほぼ同じである。