スペインのバルセロナで2014年11月18日から同20日にかけて開催中されたSmart City Expo and World Congressにおいて、VeoliaとIBMは、都市サービスに直感的でパワフルなデジタル技術を組み込み、世界中の自治体行政の効率を改善する新たなパートナーシップと新たなソリューションを公表した。両社のこのパートナーシップは、スマート・シティへの新たな可能性をひらくものである。
自治体サービス分野における世界最大手のひとつであるVeoliaは、都市向けのサービスとソリューションをデジタル技術で刷新するため、IBMとパートナーを組んだ。このパートナーシップを通してVeoliaは、自治体サービス管理への業界最高水準のデータ駆動型アプローチを提供することにより、自治体向けサービス・プロバイダーの最前線に立つことになった。同社は、既存のクライアントに対してパフォーマンス改善のために新たなデジタル・サービスを導入するばかりでなく、他の都市に対しても、ターンキー方式のすぐに使える新たなデジタル・ソリューションを提供する。
水道管理の新ソリューションをリヨンなどですでに実施
VeoliaとIBMがまず提供するのは、ビッグ・データのさらなる活用を可能にし、水道管理に関するあらゆるデータの統合化、最適化、および分析のためのIBMインテリジェント・ウォーター・ソフトウェアを組み込んだ新たなスマーター・ウォーター・ソリューションである。
この水道管理の新ソリューションは、フランスのリヨンとイングランドのティッドワースですでに実施に移されつつある。これらの土地でVeoliaは、現在利用できる最も進んだ自動水道管理技術を使って、上下水道管理サービスを市民に提供している。Veoliaは、公営水道の管理全体を通じたデータの統合化、最先端の分析手法によるトレンドやパターンの把握と予測、それにシステム・レベルにおける運営状態の把握をおこなうことにより、水道管理の効率改善、廃棄物の大幅削減と管理コストの低減、および市の指導者へのアカウンタビリティの向上に寄与する。
都市運営の効率化、市民へのサービスの改善、効果的な資源管理の確保に役立てるべくつくられたこれらの革新的ソリューションにより、都市は最も急を要するいくつかの課題に取り組み、住民にとってより住みやすい町にすることが可能になる。
都市管理にパラダイム・シフトをもたらすソリューション
今回公表された新たなパートナーシップとソリューションについて、VeoliaのAntoine Fréot会長兼CEOはこう述べている。「都市ではおびただしい量のデータが発生しており、これを絶えず管理していかなければならない。都市インフラの世界最大手運営業者のひとつとして、Veoliaは何百万のひとびとに水、エネルギー、および廃棄物処理サービスを毎日提供している。これらに関するわれわれの深い専門的知見をデータ駆動型アプローチの分野におけるIBMの識見と組み合わせることで、Veoliaは都市管理にパラダイム・シフトをもたらし、それを通して、都市が効率を改善してよりよい市民サービスを提供するのを手助けしていくつもりだ」
また、このパートナーシップの一環として、VeoliaとIBMはエネルギー管理と廃棄物処理の分野にも新たなデジタル・ソリューションとサービスを導入する。これらの分野で、Veoliaは豊富な実地経験を積んでおり、IBMにも実証済みの技術がある。これについて、IBM Smarter CitiesのMichael Dixonゼネラル・マネージャーはつぎのように述べている。「ユーティリティ経営に関するVeoliaの専門的知見と、スマーター・シティへのIBMのデータ駆動型アプローチとを結びつけることで、両社は市場で最も進んだソリューションのいくつかをひとつにまとめあげ、都市がすぐに使えるものにしていく。これによって、都市の規模によらず、効率改善のためのこれまでにない新たなオプションを提供していくことができる」
なお、Veoliaの新たな水道管理デジタル・ソリューションは、いますぐにでも利用できる。エネルギーと下水道に関しては、ソリューションの提供は2015年になる見込みである。