ベトナム建設省は、2030年までのドンナイ川流域の住宅地および工業団地における排水システムと下水処理計画の承認に関する提案公文第77/TTr-BXD号を政府首相に送った。本計画の目標は、工業排水処理および下水処理についての需要を推定し、排水地域の確認を行うことである。これにより、ドンナイ川流域に属する排水システムと下水処理場の建設投資プロジェクトの立案を実施する。本計画に含まれるエリアは、ドンナイ川域の全面積(約4万7000平方キロメートル)であり、以下の12の省と都市の管轄領域にまたがる。
- ホーチミン市
- ドンナイ省
- ビンズオン(Binh Duong)省
- ビンフオック(Binh Phuoc)省
- バリア・ブンタウ(Ba Ria Vung Tau)省
- ロンアン(Long An)省
- タイニン(Tay Ninh)省
- ラムドン(Lam Dong)省
- ダクノン(Dak Nong)省
- ダクラク(Dak lak省)
- ニントゥアン(Ninh Thuan)省
- ビントゥアン(Binh Thuan)省
対象地域内には1600万人の人口を有しており、そのうち都市部の人口は約1120万人で、工業団地の面積は約1万9000ヘクタールである。2030年までの予測では、ドンナイ川流域の都市人口の規模は約1300万人に増加し、工業用地は5万ヘクタールになるものと見込まれている。
急速な都市化とともに、同省にある工業団地の発展によって、環境中に大量の廃水が流出されている。現在の推定では、ドンナイ川流域の範囲に属する廃水総量は約150万立方メートル/日だという。これが2030年には2倍に増えると予測されている。しかし、環境中に排出される前に収集・処理される廃水量はわずか約15%たらずである。従って、2030年までにドンナイ川流域にある住宅地および工業団地の排水システムと下水処理計画の作成は、以前ベトナム政府首相から承認された2020年までのドンナイ川流域の環境保護計画を具体化することを狙っている。さらに、国家管理に関する要件を満たしながら、ドンナイ川流域の排水と下水処理プロジェクトを開始し、展開するための土台とする。
予測では、2020年までにドンナイ川流域における排水システム(雨水・廃水排出システム、下水処理場など)建設投資額は99兆ドン(約4950億円)である。その中には、国家予算からの投資金額、ODA投資額、海外支援額、投資クレジット、国内・国外をはじめ様々な経済セクターからの投資額を含んでいる。