米国のジョー・バイデン副大統領は2015年1月16日、環境保護庁(EPA)に水インフラ・回復力資金センターを新設したことを明らかにした。このセンターは、上下水道インフラの資金を求めている地方自治体、公営ユーティリティ、および民間事業者のためのワン・ストップ・サービス機関として機能することになる。このセンターが斡旋する資金調達手段は、大きく分けて2種類ある。ひとつは以前からある州整備リボルビング基金、もうひとつは新設する適格公共インフラ債(QPIB:Qualified Public Infrastructure Bond)である。ただし、QPIBのほうはまだ提案段階である。センターはまた、農務省と協力して、中小自治体の水道を技術、管理、および資金の面で支援する。
州整備リボルビング基金とQPIB
水インフラ・回復力資金センターが活用する州整備リボルビング基金(SRF)は、水質浄化SRFと上水道SRFで、これらは低利の融資と補助金を提供するプログラムである。このほか、既存のものとしては、EPAがバックアップしている各地域の環境資金センターも活用する。いっぽう、新たに提案されているQPIBは、既存の私的活動債と違って満期や上限金利がなく、また、利子が代替ミニマム税の対象とならない。
ビルド・アメリカ投資イニシアティブの一環
今回新設された水インフラ・回復力資金センターなどのインフラ・イニシアティブは、ホワイトハウスが推進しているビルド・アメリカ投資イニシアティブ――州や自治体と民間とが官民パートナーシップを進め、連邦政府の融資プログラムの利用を通して投資を増進し経済成長をうながそうという政府を挙げての取組――の一環として実施されるものである。
なお、EPAの水インフラ・回復力資金センターについての詳しい情報は以下のウェブ・ページに掲載されている。
http://water.epa.gov/infrastructure/waterfinancecenter.cfm
また、ビルド・アメリカ投資イニシアティブについては以下を参照されたい。
http://www.whitehouse.gov/the-press-office/2014/07/17/fact-sheet-building-21st-century-infrastructure-increasing-public-and-pr