米環境保護庁、2016会計年度は飲料水関連プロジェクトの予算要求額を増額

2015年2月2日に発表された2016会計年度の米国環境保護庁(EPA)予算案で、飲料水関連プロジェクトの要求額が現在の会計年度と比べて増額されていることがわかった。報道では、これまでは廃水施設関連により多くの資金を提供してきたオバマ政権が「予算の優先順位を転換した」と指摘されている。

大統領がEPA予算として要求した86億ドル(約1兆円)のうち、飲料水州回転基金(SRF)には11億8600万ドル(約1415億円)、水質浄化SRFには11億1600万ドル(約1331億円)がそれぞれ要求された。これらのSRFは、ほとんどが低金利ローンのために使われる助成金の形でEPAが州や部族の政府に与えることができる資金のプールで、廃水と飲料水のインフラ施設をはじめとする水質関係プロジェクトへの助成金の資金としても使われている。

このうち、飲料水SRFへの要求額は、議会が承認した現在の予算額より30%あまり増えている。いっぽう、水質浄化SRFへの要求額は、現在の会計年度の金額より23%減少した。

このほか、EPAは、飲料水や廃水のインフラの改善を計画し資金を提供する地域社会や州の能力強化を目的として、技術支援、教育などの取り組みに5000万ドル(約59億円)の予算もあわせて要求している。

以下に2016会計年度のEPA水関係予算要求の概要を示す(出典:米国行政管理予算局(OMB))。

表 EPAの水関係プログラムのための2016会計年度の予算要求単位:ドル

(かっこ内は、円)

2015会計年度の予算 2016会計年度の要求 変化分
水質保護プログラム
地表水保護

1億9980万
(237億)

2億3880万
(284億)

+19.5 %
飲料水プログラム

1億
(119億)

1億2880万
(153億)

+28.8 %
五大湖修復イニシアチブ

3億
(357億)

2億5000万
(298億)

-16.7 %
水関係インフラ・プログラム
水質浄化SRF

14億4900万
(1724億)

11億1600万
(1328億)

-23.0 %
飲料水SRF

9億6900万
(1153億)

11億8600万
(1411億)

+30.8 %
WIFIAプログラム 0

500万
(6億)


(新プログラム)

州助成金特定目的補助金プログラム
汚染防止(第106条)助成金

2億3080万
(275億)

2億4920万
(297億)

+8.0 %
不特定汚染源(第139条)助成金

1億5930万
(190億)

1億6490万
(196億)

+8.0 %
公共水道監視助成金

1億200万
(121億)

1億970万
(131億)

+7.1 %
湿地プログラム開発

1470万
(175億)

1970万
(234億)

+34.0 %
海岸保全助成金

960万
(11億)

0


(要求せず)

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