メキシコのユカタン半島のメリダ市で2014年11月10-14日に開催された、上下水道会社協会(ANEAS)の第28回コンファレンス・見本市で、メキシコ国家水委員会(CONAGUA)会長は、今世紀における効率の良い水資源対策を打ち立てるベースとなる、新しい国家水資源法制定を推進していると述べた。
メキシコでは、1992年12月1日に国家水資源法が公布されているが、主に水資源の使用や管理、水質汚染防止、公共投資を規定するもので、飲料水供給や下水道、下水処理サービスに関する法的枠組みになっていない。この為2年前から、国会や学会、専門家、上下水道使用者により、国家水資源法の改良版が策定されていた。
新しい国家水資源法は、以下を骨子とするものとなる。
- 各政府機関と民間組織の権限の明確化。
- 使用可能な水資源の量、質、アクセシビリティや、一日一人当たりの必要最低使用量、水の使用権の確保に関する国連組織の基準を含む、水に関する国民の権利の規則化。
- 予防緩和措置を優先し、回復力と国民の水確保を強化する、新しいリスク管理モデル。これに関しては、現在創設プロセスにある、水資源工事実行技術委員会や、国家ハリケーン庁の参加が重要となる。
- 水当局が制定する、質の高いサービス提供の為に必要な技術基準を取り入れた、水サービス規約のスキーム。各連邦機関は、市町村によるサービス組織の規制機関となる、独自の組織を創設すること。
- 水資源の創設や確保、配分、排水、下水処理、最終処理料金の設定を水当局が勧告し、経済的インセンティブを導入して、新しい水インフラの建設や既存のインフラのメンテナンスを確実に行う為のシステム。
- 市町村が、適切な条件下で水サービスを提供出来る法的枠組み。
国家水資源委員会会長は、メキシコ大統領は持続可能な水資源確保を重要視しており、新しい国家水資源法の実施にあたっては、国家水資源委員会は上下水サービス会社に対して経済的インセンティブ供与などによるサポートを行う所存であると述べた。