EU諸国は水質汚染10物質についてデータ収集へ、欧州委が初の監視リスト発表

欧州委員会は地表水の水質基準に関する指令(2008/105/EC)第8条bに則して、初の“監視リスト(watch list)”を作成し、2015年3月24日にEU官報で公示した(同指令とリストは下記URLで各々、閲覧可能)。リストは、高毒性の水質汚染物質のうち、現時点で限られた情報しかなく、将来的に規制物質に指定する必要を判断するためにEU全域でデータ収集を行うべき物質を示すものである。今回、リストに掲載された10物質(群)には避妊薬や抗生剤、殺虫剤、日焼け止めの成分が含まれている。これらについてEU各国は半年以内に国内水系でモニタリングやデータ収集を開始し、21か月以内に最初の結果報告を欧州委員会に行い、それ以降は12か月毎に報告しなければならない。リストは2年毎に更新され、一度の更新で1物質ずつ増やして最大14物質まで一度に掲載することが認められている。どの物質も4年を超えて連続掲載されることはない。
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=CELEX:02008L0105-20130913
http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=OJ:JOL_2015_078_R_0008&from=EN

監視リストの概要は以下の通り。

物質(群)名 CAS番号 EU番号 指標的抽出(上段)
分析(下段)方法
MAMDL
(ng/l)
17α-エチニルエストラジオール(EE2) 57-63-6 200-342-2 大量SPE
LC-MS-MS
0.035
エストロン(E1), 17β-エストラジオール(E2) 50-28-253-16-7 200-023-8 SPE
LC-MS-MS
0.4
ジクロフェナク 15307-86-5 239-348-5 SPE
LC-MS-MS
10
2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール 128-37-0 204-881-4 SPE
GC-MS
3160
4-メトキシけい皮酸2-エチルヘキシル 5466-77-3 226-775-7 SPE
LC-MS-MS/GC-MS
6000
マクロライド系抗生物質 SPE
LC-MS-MS
90
メチオカルブ 2032-65-7 217-991-2 SPE
LC-MS-MS/GC-MS
10
ネオニコチノイド類 SPE
LC-MS-MS
9
オキサジアゾン 19666-30-9 243-215-7 LLE/SPE
GC-MS
88
トリアレート 2303-17-5 218-962-7 LLE/SPE
GC-MS/LC-MS-MS
670

略号:方法の最大限許容可能な検出下限(MAMDL:Maximum Acceptable Method Detection Limit)、固相抽出法(SPE)、液液抽出(LLE)、ガスクロマトグラフィー(GC)質量分析法(MS)、液体クロマトグラフィー(LC)トリプル四重極質量分析法(MS-MS)

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