NSF International、公共飲用水からのクリプトスポリジウム除去に関する規格を公表

NSF International(本部:米ミシガン州・アナーバー)*1は、2015年3月19日、都市用水からのクリプトスポリジウム(cryptosporidium)除去に関する規格を発表した。今回発表された規格は、耐塩素性病原生物であるクリプトスポリジウム原虫を除去する濾過装置の性能を評価するための規格となる。

州・連邦レベルの既存の規制要件をすべて取り込み、試験・認証プロセスを簡素化

今回設定された米国国家規格「NSF/ANSI 419:Public Drinking Water Equipment Performance – Filtration(公共飲料水施設性能-ろ過)」は、州・連邦レベルの規制要件を取り込むことで州の規制機関の規格認定を支援するとともに、試験プロセスを合理化することで、メーカーが時間とコストを節約できるものとなっている。これまでに、Dow Chemical社、Hydranautics社、Hyflux社、Inge社、およびQuaグループの製品がNSF/ANSI 419認定を受けた。現在、この他のろ過技術を対象として試験・認定プロセスが進行中である。

米国では、湖沼や河川などの地表水を原水として使用する都市用水の処理施設は、環境保護庁(EPA)から免除された場合を除いて、ろ過によりバクテリアやクリプトスポリジウムなどの微生物を除去することが義務づけられている。2006年1月15日、EPAはクリプトスポリジウムを含む微生物対策を強化すべく、「長期第2次地表水処理強化規則(LT2:Long Term 2 Enhanced Surface Water Treatment Rule)」を策定した。このLT2は地表水および地表水から直接的な影響を受ける地下水を原水として使用する、すべての公共水システムに適用されている。今回策定されたNSF/ANSI 419規格は、このLT2規則のほかにも、「NSF/ANSI 61: Drinking Water System Components – Health Effects(飲用水システムコンポーネンツ – 健康への影響)」など、その他の連邦/州の要件も取り込んでいる。NSF/ANSI 61は配水コンポーネンツやパイプなど、飲用水と接触するコンポーネンツに含まれる汚染物質の量の上限を設定する規格である。NSF Internationalは今回、すべての規制要件をひとつの規格に盛り込むことで、これらの技術に関する試験・認定プロセスを合理化するとともに、都市用水処理施設における調達プロセスの簡素化を実現した。

規格に適合した技術はウェブサイト上で公表、当局での製品毎の個別審査は不要に

今回の規格について、NSF International のグローバル水事業副部長であるClif McLellan氏は次のようにコメントしている。「NSF/ANSI 419規格に適合した水処理技術は、胃腸疾患の原因となるクリプトスポリジウム原虫を水道水から有効に除去する能力があると確認されたものです。各州の飲用水担当当局は、各製品の試験レポートを個別に審査するかわりに、NSFのウェブサイトに掲載されたリストを利用して、規則への遵守を確認できるようになりました」

NSF/ANSI 419規格を策定するにあたってNSF Internationalは、産業界と規制当局、最終消費者グループからの意見をバランスよく取り入れつつ、EPAの環境技術実証プログラム(ETV:Environmental Technology Verification)の下で飲用水システムセンターを運営してきた自らの20年近い経験を活用した。今回の規格が適用される対象は、精密濾過、限外ろ過およびナノろ過システムの他、公共飲用水の処理・製造に使用されるバッグ/カートリッジ式ろ過システムが含まれる。

 

*1 公衆衛生・食品安全部門の規格策定を行うべく、1944年にNational Sanitation Foundationとして設立された。その後、事業分野が衛生分野に止まらなくなってきたこと、および活動地域がグローバルに広がってきたことから、1990年にNSF Internationalに改名。これまでに80を超える米国国家規格を策定。職員数約1200人。

タグ「, 」の記事:

2020年5月31日
メキシコ環境省、国の水資源利用料支払いのための使用水量測定一般規則を公布
2020年5月13日
スリランカ政府、環境水質基準を定める規則を公布
2020年5月9日
米カリフォルニア州政府、飲料水中の六価クロムの新汚染基準策定に向けたワークショップを開催
2020年4月11日
ドイツ環境省、第11次排水令改正令案を公開協議――BATへの包括的適応を推進
2020年4月3日
中国河北省人民政府、「河北省河川・湖保護および整備条例」を公布し施行――飲用水源保護区内での汚染物質排出口の設置など8種類の禁止行為について規定